電通の平均年収は?職種・役職・年代別や新卒・中途の給与や社風を解説!

日本最大手の広告代理店、電通。汐留本社の堂々としたビルに通勤してみたい、と憧れる人も多いのではないでしょうか。

この記事では、電通の年収や福利厚生、社風や労働環境について解説しています。あわせて、電通への転職に必要な情報収集方法についても紹介していますので、参考にしてみてください。

電通の平均年収

まずは、電通の平均年収について見てみましょう。有価証券報告書によると、2019年度の平均年収は1,168万円となっています。

平均年収が1,000万円を超えており、高待遇であることは一目瞭然です。それでは、具体的に、他の会社とどれほどの差があるのでしょうか。
国税庁の最新データによると、日本における正規雇用の人の平均年収は2018年度で「441万円」となっています。電通の「1,168万円」という年収は、日本の平均年収の3倍近くということです。

次は業界の平均と比べてみましょう。転職サイトdodaのデータによると、2019年度のメディア・広告業界の平均年収は「406万円」となっています。

つまり、電通の平均年収は、国内平均・業界平均よりも3倍近くも高額であるということです。

電通の平均年収の推移

2019年度の平均年収に続いて、過去5年間の電通の平均年収の推移を売上高と共に見てみましょう。
こちらの表は、電通が公表している有価証券報告書を基に作成しています。

年度 売上高 平均年収
2015年 4兆5,139億円 1,228万円
2016年 4兆9,249億円 1,247万円
2017年 5兆1,873億円 1,272万円
2018年 5兆3,572億円 1,179万円
2019年 5兆1,468億円 1,168万円
平均 5兆260億円 1,218万円

ここで、紹介する売上高は電通グループ全体の売上高です。
過去5年間を見ると平均年収は、2017年の1,272万円をピークに翌年の2018年は、売上高が上がっているものの、平均年収は100万円近く下がっています。2019年は、売上高が落ちたこともあってか、わずかですが下がっており、2年連続して平均年収が下がっていることが、この表から確認できます。
しかし、平均年収が下がっているとしても、日本の平均年収の3倍近い年収であることに変わりはないため、収入面の不満はあまり無いと考えられます。

電通の平均年収は下がった?

過去5年間の電通の平均年収は、2017年の1,272万円をピークに下がっています。
2018年のグループ全体の売上高は、前年の2017年より増収していたのにも関わらず、なぜ平均年収が下がったのかを説明します。

働き方の変化による残業の減少

電通の平均年収が下がった理由として、考えられるのが働き方の変化です。政府が働き方改革を推進していることもあり、多くの企業が効率的な働き方をして残業を抑制する方向へシフトしています。
電通はグループ全体の売り上げのうち、約59%が海外での売り上げとされているため、国内勤務でも、海外企業との打ち合わせをすることが多く、時差の関係から、日本時間の深夜や早朝に打ち合わせが行われることが珍しくありません。
数年前までは、就業時間外の打ち合わせなどで発生する残業代が、給料に上乗せされることで年収を押し上げていましたが、残業を抑えて働く方向へシフトしたことで、フレックス勤務の導入など働き方が見直され、就業時間外の打ち合わせなどが減り、残業そのものが減ったことで残業代も減っています。
2018年、2019年と平均年収が減っているのは、働き方の変化によって残業代が減ったことが主な理由です。
現在の労働環境については、別の項目で紹介しますので、そちらを参考にしてください。

電通の職種・役職・年代別の平均年収

次は、電通の職種・役職・年代別の平均年収を見てみましょう。
なお、ここでは、OpenWorkを参考に、実際に電通への勤務経験がある人の声をもとにして、各項目の平均年収を算出しています。

職種別の平均年収

まずは職種別の年収についてです。電通の職種は以下があります。

■ 総合職
■ デジタルクリエーティブ職
■ アート職

総合職は、営業・企画・マーケティングというように業務が分担されます。同じ職種であっても、年次などにより年収は異なりますが、平均すると以下の金額になると推定されます。

職種 平均年収
営業系 1,000〜1,200万円程度
企画系 1,200〜1,400万円程度
マーケティング系 1,000万円〜1,200万円程度

上記をみてわかる通り、職種による年収の差はあまり大きくありません。

役職別の平均年収

次は役職別の年収についてです。役職別に見ると、目安としては以下のような年収となります。

役職 平均年収
一般 500〜700万円程度
主任 800〜1,000万円程度
係長 1,000万〜1,500万円程度
課長 1,600〜2,000万円程度
部長以上 2,000万円〜

「1〜5年目は一般、6〜10年目は主任、11年目以降は係長」と、年次ごとに昇進しするという声が複数見受けられました。

年代別の平均年収

最後に、年代別の年収についてです。役職の有無などによって年収は異なりますが、ここでは、年代別の年収の目安として、勤続年数に応じた年収の例を見てみます。

勤続年数 年収目安
勤続3年未満 営業:580万円
マーケティング:600万円
企画:700万円
勤続3〜5年 営業:1,150万円
マーケティング:720万円
企画:770万円
勤続5〜10年 営業:1,100万円
マーケティング:1,200万円
企画:1,500万円
勤続10年以上 営業:1,260万円
マーケティング:1,200万円
企画:1,930万円

やはり、勤続年数が長くなるにつれ、年収は上がる傾向にあることがわかります。

競合企業との比較(博報堂/ADK)

ここでは、電通の競合他社で広告代理店、博報堂・ADKとの売り上げや平均年収を比較してみましょう。なお、電通・博報堂については、売り上げ高は2019年度の連結業績を、平均年収は各社の有価証券報告書を参考にしています。ADKは最新データが2016年となっているため、2016年度のデータを参照します。

企業名 設立年度 売上高 平均年収
電通 1901年 1兆1,085億円(IFRS) 約1,168万円
博報堂 1895年 1兆4,456億円 約1,065万円
ADK 1956年 3,126億円 約757万円

表を見ると、博報堂が電通の売り上げを上回っていることに意外に思う方も多いかもしれません。しかし、その理由は計算方法の違いにあります。博報堂DYは日本の会計基準に基づいて連結財務諸表を作成しているのに対し、電通は国際財務報告基準に基づいて作成しているため、このような結果となっているようです。ちなみに、電通の売り上げを日本の会計基準に置き換えると、53,572億円となるそう。博報堂の4倍ほどの売り上げです。売り上げの高さに応じるように、年収も高額となっていることがわかります。

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電通の昇給制度やボーナスについて

次は、電通の昇給やボーナスについて紹介します。

電通の昇給制度

電通では年に1回、昇給が行われます。
直属の上司との面談と成果により評価が決定され、昇給額に反映される実力主義を採用しています。この他に役職や年次に関係なく、社員を平等に評価するためのミッショングレードと呼ばれる評価制度があり、上司が部下のグレードを決め、期間内にグレードに応じた目標を達成できているのかを評価されます。
この2つの評価を基に昇給が決定されますが、口コミでは、30歳くらいまでは年次に応じた年功序列式の昇給との意見が多く、30歳以降から、緩やかですが成果に応じた実力主義となっているようです。

ただし、口コミでは実力主義の評価が強くなっているともあり、少しずつですが、成果に応じた実力主義の色合いが強くなっているようです。

電通のボーナスについて

ボーナスは年2回、3月と9月と、珍しい時期に支給されます。ボーナスも昇給制度と同じシステムで評価されるのと、会社の業績によっても支給額が変動するため、〇か月分というような平均値のようなものはありませんが、口コミでは2回の総額で、少なくても100万円以上は支給されるようです。成果や役職によっては500万円以上もの高額なボーナスが支給される方もいるようなので、コンスタントに成果を残すことが年収を上げるためにも昇進していくためにも重要です。

電通の福利厚生制度と休暇

次は、電通の休暇や福利厚生について紹介します。電通には、以下の表のように、充実した福利厚生が用意されています。

福利厚生制度 内容
休暇 完全週休2日制。有給休暇は初年度に10日付与。年間5日分以内であれば1時間単位の休暇取得可能。
社宅 東京、大阪、名古屋に独身者用借上げ社宅有。
厚生施設 健康管理センター:すべての事業所に社内医療施設有。薬局も併設。
電通会:社員によって組織される互助会。観劇や映画の鑑賞券補助や慶弔金付与などのほか、部活動も有。
ベネフィット・ステーション 総合福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」に加入。国内・海外旅行などの際に宿泊費の補助有。
Yourコンシェルジュ プライベートの様々な相談に乗ってくれるコンシェルジュの常駐。お店探し、勉強・稽古、旅のプランニング、買い物代行、手続き代行など、仕事を優先して手につきにくいことを相談することが可能。

表を見ると、大企業らしい充実した福利厚生制度が整備されていることがわかります。休暇制度や社宅など、多くの企業で見られる制度から、「Yourコンシェルジュ」など、忙しい社員を多く抱える電通ならではの福利厚生制度が目立ちます。

電通の社風や労働環境

ここでは、電通の社風や労働環境について紹介します。

年功序列の体質

年収の部分でも軽く触れた通り、電通には年功序列の風土が今も色濃く残っています。
しかし、OpenWorkに投稿された実際に電通に勤務している人の声を見ると「ミッショングレード制度が加わり、年功序列からの脱却を図っている」という意見も見受けられます。
現状は年功序列の傾向が強いものの、今後は徐々に実力主義が取り入れられることが予想されます。

仕事量は多い

広告業界は忙しいというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。イメージ通り、やはり電通の仕事量も多いようです。ただしその分、若手であっても、大きな案件に関われたり、自分の意見を反映させたりもできるとのこと。取り扱う分野が幅広いため、通常の広告に加え、希望次第では、デジタルマーケティングを担当したり、海外の支社に赴任したりすることも可能だそう。
仕事量は多いものの、やりがいを感じている社員が多いようです。

残業について

仕事量が多く、忙しいというイメージから、残業時間も多いと予想する人もいるでしょう。確かに、数年前までは残業量も非常に多かったそう。また、残業した分だけきちんと残業代が付与されるため、残業代で大きく稼ぐ人も多かったようです。
ただし、近年では働き方改革を、力を入れて推し進めているようです。「22時には強制退社、新人は17時半には帰らされる」という声が多数見受けられました。
数年前までは激務と言われていた企業ですが、近年では改善されつつあるようです。

電通に中途で入社するには?

日本人なら誰でも知っている大企業の電通です。実際に転職をしたい場合には、具体的にどんな準備が必要になるのでしょうか。

正社員への転職は困難

日本を代表するような大企業である電通への転職は、簡単なものではありません
電通は中途社員の募集人数が多くなく、狭き門です。例えば、2020年10月現在で正社員を募集している職種は、以下の5つのみとなっています。

■ ビジネスプロデューサー
■ コミュニケーションプランニング人材
■ データ関連ソリューション開発プロジェクト・マネージャー
■ データベースエンジニア
■ マーケティングコンサルタント

時期によって募集職種・人数は変わりますが、多いとは言えません。しかし、電通では契約社員の募集も同時に行われています。こちらは正社員よりも募集人数が多いため、まずは契約社員として働きながら、正社員への道を目指すという人も少なくないようです。

高水準のスキルを求められる

電通で中途採用されるためには、高水準のスキルが求められます。ここでは、一例として「データベースエンジニア」の募集要項を見てみましょう。

必須スキルとしては、以下が求められます。

■ データベース・エンジニアとしての業務経験/今後もエンジニアとしてのキャリアアップを考えている
■ データベースのアーキテクチャ設計を提案できる
■ 個別のシステム開発を切り分けて、それぞれを外部ベンダーに発注することができる
■ 経費管理/ベンダー管理/ユーザーサポートなども担うことができる
■ 専門領域の話を専門領域外の人にもわかりやすく伝える説明力がある

加えて、歓迎条件として以下が挙げられます。

■ 社会人として3年以上の実務経験があり、即戦力となれる
■ 事業会社の情報システム部門の業務経験がある
■ 未経験や担当外の領域についても積極的に取り組み、知見を吸収する姿勢がある
■ 相手の課題などを聞き出す状況把握のための傾聴力がある
■ ロジカルシンキング/ストーリー構築力がある
■ 広告/マーケティングに関する基礎知識がある
■ 個人情報保護法、ユーザー許諾、プライバシー等に関する基礎知識がある

当該業務の経験・知識に加え、広い領域での知識や意欲が求められることがわかります。

電通が求める人材像とは

ここでは、電通の公式HPから見えてくる、電通が求める人物像について紹介します。

はじめに、電通の採用ページには、採用コンセプトとして「電通を、使え」と書かれています。そして、新入社員へのインタビューの「電通に入社した理由」を見てみると、以下のような人が採用されていることがわかります。

■ サスティナブルファッションの概念を広める人になるために、電通でコミュニケーションやマーケティングのスキルを身に付けたい
■ 広告代理店で社内外のいろいろな人たちと出会って、自分の将来を見定めたい
■ アートディレクターとして会社で世の中に新しいスタンダードをつくりたい
■ 一般的に知られていないものの良さを伝えて、世の中に新しい価値をつくりたい

このような意見を見ると、やりたいことは様々であっても「電通という資本を使って、世の中に影響を与えたい」という思いを持っていることが共通していることがわかります。

転職活動においては、自分が電通を使って何を成し遂げたいのかを明確に語ること、そしてそれを実行できるだけのスキルや経験を持っていることをアピールすることが大切だと考えられます。

Career Treeで自分の転職可能性を確認しよう!

電通に転職を考えている場合、どんな職種を希望する場合でもまず始めるべきことは「情報収集」です。中途で採用されるのは狭き門だと言われる電通ですが、それでも実際に転職を成功させた人はいます。そのような人の実例を見ることによって、自分の現状と見比べながら、転職活動を効率的に進めてゆくことができます。

電通への転職実例を収集するためには、Career Treeへの登録をおすすめします。Career Treeでは、電通へ転職した人の実例データを閲覧できます。もちろん、博報堂やADKなど、競合の広告代理店へ転職した人の実例データを見ることもできます。

転職を考えてはいるけれど、まだ具体的には行動できないという人もいるかもしれません。そんな状況であっても、まずは情報収集をはじめてみることがおすすめです。Career Treeでは、自分が今勤めている会社を起とした転職先探しをすることもできます。自分の会社からは、どのような企業・業界に転職する人が多いか、年収は変化するのかという傾向を把握することで、より具体的に将来を考えるきっかけになるでしょう。

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まとめ

ここまで、電通の年収や福利厚生、制度について見てきました。

圧倒的な知名度と年収で、広告業界を目指す人なら誰しも一度は就職を検討する電通。しかし、人気の大企業なだけあって、転職は容易ではないことも事実です。

電通に転職を希望する人は、まずはCareer Treeを使って情報収集から始めることをおすすめします。

Career Treeでは、電通への転職成功例を見ることができるだけでなく、自分の勤めている企業からどんな会社に転職する人が多いのかを知れます。加えて電通、博報堂、ADKでの転職活動の進め方の違いまで、あらゆるデータを閲覧できます。

Career Treeを参考にしながら、電通への転職を考えてみてください。

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