現職で残業が多いなど、労働環境の悪さ・仕事量の多さを理由に転職を考える方もいるのではないでしょうか。
このような面を改善するために、転職をしたのにも関わらず、転職先の労働環境が悪いと、転職をした意味がなくなってしまいます。
自分が働く業種や職種、もしくは転職先の残業時間の平均が分かれば、転職活動にも活かすことができるでしょう。
この記事では、残業時間や残業代の平均、残業の少ない企業に転職するためのポイントをご紹介します。
残業時間の平均について
残業時間の平均をご紹介します。
厚生労働省のデータでは月10.6時間
厚労省が、令和元年(2019年)に500人以上の規模の事業所を対象に一か月間の平均残業時間を調査したところ、平均10.6時間と公表されています。
この調査では、1カ月の出勤日数が18.0日とされているため、毎日40分残業する計算になります。
ただし、こちらは厚労省が行った調査結果です。
調査を依頼した企業が提出したデータを基に出された数字ですので、実際にはこれ以上の残業を行っている可能性もあります。
労基法などに抵触しないように、数字を少なく見積もっている可能性もあるため、参考程度に考えた方が良いでしょう。
正確な残業時間を知るためには、企業側ではなく、働いている社員の方を対象とした調査結果の方が、精度が高いこともあるでしょう。
参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/monthly/r01/01cr/dl/pdf01cr.pdf
転職サイトのアンケートでは月20.6時間
次に転職サイトdodaが、企業にお勤めの方15,000人に行った調査では1カ月の平均残業時間は、20.6時間とされており、厚労省が行った調査結果の2倍近くになります。
この調査は、2020年4~6月に行われたもので、緊急事態宣言前の2020年1~3月の調査では、28.1時間とされています。
新型コロナの影響から在宅でのリモートワークが増えたことによる残業時間の減少がなければ、厚労省が企業を対象に行った調査結果の3倍近くにもなります。
これは、厚労省の調査方法とdodaの調査方法が異なるために、結果も異なっていると考えられます。
企業や業種、職種ごとの残業時間を知るには、dodaなど民間の調査結果を確認した方が正確な残業時間を知ることができるでしょう。
参考:https://doda.jp/guide/zangyo/#movingPosition03
残業代の平均は?単価はどのくらい?
残業代の平均、単価について、厚労省が令和元年に行った調査データを基にご紹介します。
業種別の残業代の平均
厚労省のデータを基に業種別の残業代を表にまとめました。
業種 | 残業代 | 残業時間 | 残業代単価 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
電気・ガス業 | 51,510円 | 14.7時間 | 3,504円 | ||||||||
運輸業・郵便業 | 43,597円 | 23.1時間 | 1,887円 | ||||||||
情報通信業 | 32,191円 | 14.8時間 | 2,175円 | ||||||||
製造業 | 31,859円 | 15.0時間 | 2,124円 | ||||||||
鉱業、採石業等 | 27,988円 | 15.4時間 | 1,817円 | ||||||||
全業種平均 | 19,745円 | 10.6時間 | 1,863円 |
調査では、16の業種に分けられていましたが、残業代が多い上位5つの業種をピックアップしました。
こちらは、全ての雇用形態で働かれている従業員の合計です。
残業時間は、運輸業・郵便業が最も多く、業種全体として人手不足であることが考えられます。
残業代の単価も記載していますが、どのように計算されるのでしょうか。
次に残業代の計算方法について、ご紹介します。
残業代の単価
上記の表の残業代単価は、「残業代÷残業時間」で割り出していますが、残業代の単価は、人によって異なります。
残業代は月給制では、基本給と諸手当の合算額を月の所定労働時間で割り、これに定められた倍率をかけて計算します。
1日8時間・週40時間を超えた場合は、「基礎賃金×1.25倍」で、計算した金額が残業代となります。
これ以外に休日出勤や深夜残業、月60時間を超えた場合では倍率が異なります。
基本給は年次や役職、諸手当は条件によって支給対象が変わります。
新卒初年度であれば、同期全員ほぼ同じ単価になりますが、昇進や昇給、家族手当などで残業代の単価は変わることを知っておきましょう。
ホワイト企業の平均残業時間は?
ホワイト企業と呼ばれる企業の平均の残業時間はどのくらいなのでしょうか。
残業時間は月20時間以下が目安
ホワイト企業と呼ばれる企業では、月平均の残業時間は20時間以下と言われています。
多くの企業の1か月間の労働日数は、22~23日であるため、残業時間は1日1時間以下となります。
ホワイト企業で残業が少ないのは、社員それぞれの仕事配分と部署ごとの人員配置が適切に行われているケースが多いためです。
サービス残業なども無く、残業代も分単位できっちり計算し支給されるなど、法に従って行われているでしょう。
みなし残業が少ない?
みなし残業は、毎月の給料に一定額が残業代として組み込まれている固定残業代制のことを指します。
みなし残業と聞くと、実際の残業時間に見合わない残業代を支給するブラック企業を連想する方もいるかもしれません。
しかし、ホワイト企業でも、みなし残業を導入していることがあります。
みなし残業は、ブラック企業のイメージが先行しがちですが、運用方法が正しければ社員にメリットがある制度なのです。
【関連記事】ブラック企業の特徴を求人から判断するには?転職先を間違えないために
残業の少ない企業に転職するために必要なこと
転職後に後悔しないように、残業の少ない企業に転職するために事前にできること・必要なことをご紹介します。
転職先として人気の企業を確認する
転職活動をする上で、転職先として人気が高い企業を確認しておくと良いでしょう。
人気企業では、働き方改革をしているところも多く、残業が減らせるように業務の効率化を推進している傾向があります。
また、そのためにシステムの導入や人員配置の見直しなど適切な対応をしていることも多くあります。
人気企業は、労働環境の改善や福利厚生を充実させることで、長く働いてもらえるよう社員を大切にする傾向があります。
このため、人気企業は、ホワイト企業であることも多いです。
転職先として人気がある企業がどこかを調べ、労働環境についても確認すると良いでしょう。
企業情報を入念に確認する
人気企業では、有給休暇消化率やワークライフバランスなどの福利厚生制度のほかに、平均残業時間をホームページで公開している場合もあります。
このような企業側が公開している情報をしっかりと確認することも大切です。
しかし、配属される部署や支店などで仕事量が変わることもあるため、企業が公開している平均残業時間と差が出ることがあります。
より正確な残業時間を確認するには、企業のホームページだけでなく、転職サイトなどの口コミを確認すると、実情に合った残業時間の情報が得られるでしょう。
転職に成功した人の実例を確認する
残業の少ない企業に転職した方の実例を確認することが有効です。
実際に、残業の少ない企業は転職先として人気があるケースも多いため、どのようなキャリアでその企業に転職したのかを参考にすると良いでしょう。
また、転職の実例を確認することで、自分がその企業に転職できる可能性はどのくらいなのかを知ることができます。
仮に、残業が少ない企業に転職した方と、同じようなキャリアがある場合、転職をできる可能性が高いことがわかります。
まずは、転職先として人気の企業の転職実例を確認しておくと良いでしょう。
Career Treeで自分の転職の可能性を確認しよう!
前職で残業が多かったことを理由に、転職をしたのにも関わらず、転職先の企業の残業時間が変わっていないと、後悔するでしょう。
残業の少ない企業を調べるには、企業が公開している残業時間を調べることも大切ですが、その企業や業界に転職された方の実例を確認すると、さらに詳しい実態を正確に知ることができます。
Career Treeには、様々な企業に転職された方の実例データがあり、ご登録いただくことで全てのデータをご確認いただけます。
残業時間が少ない企業に転職した方が、どのような年齢でどのような業界から転職をしているのか等、細かい点を知ることが可能です。
転職活動を効率的に進めていく上で、転職の実例を確認することが大切なのです。
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まとめ
残業が多くても、やりたかった仕事や働きたかった会社に転職できれば、特に問題がないかもしれません。
しかし、残業など長時間労働を続けると、体への負担も大きくなっていきます。
同じ業界・職種でも残業時間が少ない企業はあります。
このため、残業時間の少ない企業に転職したいとお考えの方は、転職活動を始めると良いでしょう。
この際、残業の少ない企業をリサーチし、志望先の企業にどのような方が転職をしているのか、実例を確認しましょう。
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