PwC (プライスウォーターハウスクーパース)はロンドンに本拠地を置き、157カ国に742の拠点を構えグループ全体で270,000人もの社員を擁する世界有数の巨大会計事務所・コンサルティングファームです。
日本ではPwCコンサルティング合同会社を設立し3,000人の社員がいるとされていますが、売上高や資本金など非公開とされている情報が多い企業です。
こちらの記事では、PwCコンサルティング合同会社の年収や給与制度、労働環境などについてご紹介していきます。
PwCの平均年収
始めにプライスウォーターハウスクーパース(以後PwCと表記します)の平均年収をご説明します。
PwCは有価証券報告書が公開されてないため、OpenWorkやdoda、複数のサイトを参考に算出しました。
PwCの平均年収は約921万円です。
doda調べによる総合コンサルティンファームの平均年収は574万円。
国税庁の平成30年 民間給与実態統計調査結果では日本人の平均年収は441万円でした。
国内平均の2.1倍。業界平均の1.6倍とPwCの平均年収の高さが分かります。
PwCはデロイトトウシュトーマツ、KPMG、EY(アーンスト・アンド・ヤング)。
これら3社と共に世界4大総合コンサルティング。通称Big4として知られています。
業界内の規模や売上をBig4で占めているのではなく、各社の大元となる監査法人が世界4大監査法人とされ、その流れからグループ会社も含めてBig4と呼ばれています。
PwCの役職・年代別の平均年収
PwCの役職・年代ごとの平均年収はどのようになるでしょうか。
役職別の平均年収
PwCは役職が下記の6つに分かれています。
役職 | 年数 | 平均年収 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
アソシエイト | 1~5年 | 約500~900万円 | ||||||
シニアアソシエイト | 3~8年 | 約730~970万円 | ||||||
マネージャー | 5~10年 | 約1,000~1,450万円 | ||||||
シニアマネージャー | 10年〜 | 約1,370~1,920万円 | ||||||
ディレクター | 能力次第 | 約1,500~2,000万円 | ||||||
パートナー | 能力次第 | 約2,000万円~ |
新卒で最初に就く役職がアソシエイトになります。
未経験で中途採用された場合もアソシエイトから始まることが多いようです。
シニアアソシエイトまでは残業代が支給されますがマネージャーからは管理職とされ、基本給にみなし残業50時間分が含まれます。
各役職内部で3段階の評価があり、評価に応じて収入も変わります。
ディレクター以降の役職は年次と能力ではなく、実力のみで昇進が決まります。
最上位のパートナーは経営に携わる役員クラスとなり年収は2,000万円以上。
業績によっては億に達することもあるそうです。
昇進は新卒で入社された、いわゆる生え抜きと中途採用者に差はないようで研修などでフィードバックを得ることができるようです。
PwCは中途採用の方が多いこともあり、昇進や人間関係で疎外されるようなことは無いようです。
年代別の平均年収
PwCの年代別の平均年収と転職サイトdodaが調べたPwCと同じ総合コンサルティングファーム業界の年代別の平均年収と比較しました。
年代 | 業界平均年収 | PwC | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20代 | 約475万円 | 約640万円 | ||||||
30代 | 約608万円 | 約830万円 | ||||||
40代 | 約625万円 | 約1,050万円 | ||||||
50代 | 約773万円 | 約1,170万円 |
すべての年代でPwCの平均年収が上回っていました。
総合ファームは業界全体が高収入ですが、その中でもPwCの報酬の高さがこの表からも分かります。
PwCと総合コンサルティング会社との比較
世界4大総合コンサルティングBig4の1つになるPwC。
業界平均より年収が高いのは先ほどご説明しましたがBig4内で見ると、どうでしょうか。
企業名 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
PwC | 約920万円 | ||||
デロイトトーマツ | 約870万円 | ||||
KPMG | 約900万円 | ||||
EY | 約880万円 |
Big4の平均年収は上記の通りでPwCが年収トップでした。
これはあくまでも平均年収で給与・昇進制度は各社で異なります。
例えば、PwCは能力と年次で昇進スピードがある程度、決まっていますがEY(アーンスト・アンド・ヤング)は昇進スピードがBig4の他の会社と比べ早いと言われており、転職先として検討する際は、各社それぞれの特徴を確認しておくのが良いでしょう。
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PwCのボーナス・昇給制度について
ボーナス・昇給制度は転職時に検討する要素の1つです。
PwCのボーナス・昇給制度をご説明いたします。
PwCのボーナス
PwCのボーナスは年に1回、7月に支給されます。
一般企業同様、会社の業績に加え、個人の成績も算定に加味されます。
PwCはボーナスの年収に占める割合が10~40%と言われています。
PwCの平均年収921万円のうち40%がボーナスの場合だと368万円と業種によっては年収に相当する額になります。
結果を残せば見合ったボーナスがもらえるのは、仕事へのモチベーションを高く維持できる要因となるでしょう。
PwCの昇給制度
昇給はボーナスと同じく年1回です。
昇給の評価は年2回、行われる評価会議で算定されます。
部署やプロジェクトによって評価基準が異なるようですが、評価会議の基準ですべてのプロジェクトの評価が再確認され最終評価が行われます。
プロジェクトの評価だけでなく面談も行われます。
昇給の評価方法について納得できるという声がある一方、担当するプロジェクトの規模が小さい場合、貢献度が高くても評価に反映されにくい。という声もあるようです。
PwCの社風や激務度・離職率は?
PwCはBig4や業界平均よりも年収が高いのはご説明しましたが年収が高い分、激務だったりするのでしょうか。
社風や労働環境・離職率などについて調べました。
完全実力主義の社風
PwCは完全に実力主義の会社です。
給与やボーナス制度からも分かるように結果を残した人間には、それ相応の報酬が与えられ、役職が下位でも成績によっては上位の役職者より年収が上という事も珍しくありません。
このように実力主義の環境ですが、殺伐とした雰囲気ではないようで相談などに乗ってくれる同僚は多いと口コミで確認できます。
組織力を重視する傾向もあり、個々が結果を残すのはもちろん、チームでどのような結果を残したかも評価対象となるため、上下関係にとらわれずに自らの意見を述べることも求められ、風通しの良い環境・社風でもあるようです。
PwCは激務?
激務なのは間違いないようです。
残業時間は平均50時間前後ですが、プロジェクトの内容・上司の考え方によって働き方・業務量には変動があり早朝出勤・終電帰りやそれに近い帰宅時間。
土日も業務に追われることもあれば、1~2時間の残業で退社できるなど、プロジェクトや上司の考え次第で差があるようです。
ワークライフバランスへの取り組みを行っているようですが業務量が多いため、実現にはまだ時間が必要とされています。
これ以外に近年、採用人数が増加したことで生産性が低下し、このことが原因で残業が増えたとの意見もありました。
離職率は高い
PwCは離職率が高いとされています。
正確な離職率は開示されていませんが口コミなどから15~30%ほどと推察されます。
業務量が多く、ハードワークであることから離職率が比較的高くなっていると考えられます。
グローバルな環境
PwCは、他の総合ファームと比べ海外案件が多いと言われています。
これは、PwCが157カ国742の拠点によって構築されたグローバルネットワークを強みとしているからです。
海外案件に対応できるようPwCは、
■ 海外のオフィスへのトランスファー
■ プロジェクトでの海外勤務
■ 留学支援制度
これらの研修や海外勤務制度によって、グローバルな環境でも活躍できる体制作りが整えられています。
PwCに転職するには?
PwCに転職難易度や選考内容はどうなっているでしょうか。
PwCへの転職難易度は高い
PwCはBig4の一角を担う総合ファームであることから転職先として人気が高く、さらに転職者には即戦力を求めるため倍率・難易度、共に高いと考えて間違いありません。
選考の流れ
Webテスト→面接(複数回)→内定
選考の流れはこのようになります。
他に2年以上の職務経験とその詳細についても、選考基準となるようです。
英語力は特に求められないようですが海外案件の多さから英語力があった方が入社後、有利に働くでしょう。
面接
面接は複数回2~6回、行われます。
志望動機など一般的なものから、「あなたを採用するメリットは?」と具体性を持って答える必要がある質問もあります。
また、総合ファームで多い「ケース面接」や「フェルミ推定」などもあると言われており、論理的な回答が出来るよう入念な準備を行うことが重要です。
PwCが求める人材像
PwCは公式サイトに
■ 多様性:様々な分野における最高の人材
■ チームワーク:専門性を統合し、付加価値を最大化
■ 共通の価値観:顧客サービスとプロフェッショナルとしての自負
知的タフネス・体力的タフネス・精神的タフネス
一部抜粋ですが、このように書かれています。
“豊富な知識と協調性を有し、プライドを持って仕事に挑み続ける強さとタフさを持った人物”
このような人材が求められていると考えられます。
CareerFinder(キャリアファインダー)で自分の転職可能性を確認しよう!
PwCはご紹介したようにBig4の一角を占め、グローバルに事業を展開する総合ファームです。
近年は人員の採用数を増やしているようですが採用基準を落としている訳ではないため、転職しやすくなるということはなく、転職の倍率と難易度は高いままです。
ここまで、こちらの記事を読んで頂いて「今の自分で転職が可能なのか」そうお思いになられた方もいらっしゃるかもしれません。
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まとめ
こちらの記事ではPwCの様々な情報についてご紹介させて頂きました。
PwCは実力主義が徹底され、離職率の高さから激務であることも推察できます。
労働環境としては厳しいものがありますが結果を残した者には、見合った報酬が約束され、ご自身の能力に自信がある方、キャリアアップへの意欲がある方には、最良の会社でしょう。
PwCで働くためには当然ですが内定を得ないといけません。
そのためにPwCの中途採用に関する情報収集を行う必要があります。
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