任天堂の創業は1889年と古く、創業当初から花札やトランプといった娯楽に関する様々な商品を販売し、現在も販売が続けられています。
1970年代からはコンピュータゲーム産業に進出し、85年に発売されたスーパーマリオブラザーズは世界中で爆発的な人気を生み、様々なシリーズが展開されるなどゲーム業界トップレベルの企業へと成長しています。
こちらの記事では、任天堂の平均年収や福利厚生といった転職前に確認しておくべき情報をご紹介していきます。
任天堂の平均年収
任天堂の平均年収を有価証券報告書から調べると、任天堂の平均年収は935万円。
平均勤続年数は13.9年でした。
国税庁の調査で、日本の平均年収は約436万円。
転職サイトdoda調べのゲーム・アミューズメント機器メーカーの平均年収は433万円とされており、任天堂の平均年収はどちらに対しても約2.1倍と、さすがは世界的ゲームメーカーと言える高報酬です。
任天堂が高報酬の理由や給与制度、福利厚生なども順次、ご紹介していきます。
任天堂の平均年収の推移
過去5年間の任天堂の平均年収の推移を表にまとめました。
| 年度 | 売上高 | 平均年収 | 勤続年数 | ||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2015年 | 5,044億円 | 891万円 | 13.5年 | ||||||||
| 2016年 | 4,890億円 | 928万円 | 13.9年 | ||||||||
| 2017年 | 1兆556億円 | 903万円 | 13.5年 | ||||||||
| 2018年 | 1兆2,005億円 | 912万円 | 13.5年 | ||||||||
| 2019年 | 1兆3,085億円 | 935万円 | 13.9年 | ||||||||
| 平均 | 9,116億円 | 914万円 | 13.7年 |
2017年の売上高が前年の倍以上となっていますが、これは同年に発売されたニンテンドースイッチの売れ行きが好調だったためです。
同じ2017年の平均年収が前年比割れしていますが、それ以外の年は前年平均を上回り、5年間の平均年収は914万円と、十分な報酬が支払われています。
任天堂の職種・役職・年代別の平均年収
複数の項目に分け、それぞれの平均年収を算出しました。
こちらはOpen Workやdoda、その他、複数のサイトから算出したものです。
職種別の平均年収
下記の4つの職種に分けて平均年収を調べました。
| 職種 | 平均年収 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 営業職 | 530～870万円 | ||||
| 企画職 | 570～780万円 | ||||
| 開発職 | 420～880万円 | ||||
| 事務職 | 500～730万円 |
各職種の平均年収はこのようになっており、開発職の平均年収の幅が広くなっています。
後ほど、ご紹介しますが任天堂は能力給を採用しているため、年次ではなく実績によって年収の幅が広くなると推測されます。
役職別の平均年収
役職ごとの平均年収を算出しました。
| 役職 | 平均年収 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 係長 | 1,020万円 | ||||
| 課長 | 1,350万円 | ||||
| 部長 | 1,630万円 |
係長の平均年収から1,000万円を超えており、役職に就くことで高い報酬が期待できるようです。
年代別の平均年収
任天堂の年代別平均年収とdoda調べの年代別平均年収を比較しました。
| 年代 | 平均年収 | doda調べ | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20代 | 320～650万円 | 348万円 | ||||||
| 30代 | 710～790万円 | 444万円 | ||||||
| 40代 | 810～930万円 | 510万円 | ||||||
| 50代 | 1,010～1,020万円 | 613万円 |
どの年代でも任天堂が上回っており、経済的にかなり余裕を持った生活を送ることができそうです。
任天堂と競合他社との平均年収比較
ゲームメーカーとして任天堂の競合他社となるグリー、ソニー、バンダイナムコ各社の平均年収をそれぞれ有価証券報告書から調べ、表にまとめました。
| 企業名 | 創業 | 売上高 | 平均年収 | 勤続年数 | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 任天堂 | 1889年 | 1兆3,085億円 | 935万円 | 13.9年 | ||||||||||
| グリー | 2004年 | 626億円 | 758万円 | 4.7年 | ||||||||||
| ソニー | 1946年 | 8兆2,598億円 | 1,057万円 | 16.6年 | ||||||||||
| バンダイナムコ | 2005年 | 7,239億円 | 1,053万円 | 16.5年 |
売上高では、ソニーは8兆円以上と2位の任天堂に6倍もの差をつけています。
競合他社全て業界平均433万円を大きく上回る高報酬であることが表から分かります。
4社中、任天堂は3位となっていますが平均年収935万円は高収入と言える金額です。
口コミを見ても、収入面に不満を言われる方は見かけないため、収入面で不満を感じることは少ないようです。
■関連記事
・ソニーの職種・役職・年代別の平均年収は？昇給制度やボーナス・福利厚生も紹介！
任天堂の平均年収が高い理由とは？
任天堂の平均年収が高い理由は、長く愛されるゲームを生み出しているためです。
代表作とも言えるスーパーマリオブラザーズは様々なシリーズが発売され、現在もファンから愛されています。
任天堂はゲーム機の開発・販売も行っており、自社のゲーム機でしか遊べないソフトだとゲーム機・ソフト両方が売れるため売上増加に繋がります。
ニンテンドースイッチが発売された2017年の売上高が、前年の2倍以上になっているのが好例です。
ゲーム業界では開発費用は開発時のみ発生するので、ミリオンセラー、ロングセラー商品を生み出すことが出来れば、その分利益率が上がります。
ヒット作を生み出し続け、高い利益率を維持できることが任天堂の平均年収の背景にあります。
任天堂の福利厚生制度と休暇
任天堂の福利厚生や休暇制度はどうなっているのでしょうか。
表にまとめました。
| 休日 | 年間休日125日、完全週休二日制(土日)、祝日、年次有給休暇、特別休暇、夏季休暇、年末年始休暇、リフレッシュ休暇 | ||||
| 育児・介護 | 育児・介護休暇 | ||||
| 財産形成・共済制度 | 住宅支援、社内住宅支援融資、退職金、選択型福利厚生制度、財形貯蓄、厚生貸付金 | ||||
| 諸手当 | 時間外勤務手当、休日勤務手当、通勤手当、住宅加算手当 | ||||
| 各種保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 | ||||
| その他 | 保養所、クラブ活動補助 |
大手企業は福利厚生が手厚くなっていますが、任天堂も充実した福利厚生が用意されています。
マイホーム取得のための支援や融資制度、退職金に財形貯蓄と社員の資産を増やす・安定させるための制度も充実しているため、平均年収の高さも相まって定年後に不安を感じることなく勤められる企業と言えます。
任天堂の昇給・評価制度と給与体系
任天堂はどのような評価制度・給与体系を採用しているのでしょうか。
任天堂の昇給・評価制度
任天堂の公式サイトには、
“社員の能力開発を促進し、長期的な会社の総合力を高めるとともに、個々の働く意欲の向上につなげるため、発揮された能力の質と量による評価、個人の評価を反映した報酬、年功にとらわれない処遇を、人事制度の基本にすえています。”
このように記されています。
以前は年功序列の昇給・評価制度だったようですが実力主義の能力給へとシフトしてきており、新卒の場合、3年目までは年功序列で昇給し、4年目以降は能力評価に切り替わります。
公式サイトに中途採用者の評価制度についての記載はありませんが、中途採用者には即戦力を求めるのが基本なので、最初から能力評価である可能性があります。
任天堂の給与体系とは
給与体系は基本給と能力給。各種手当・ボーナスで構成されています。
昇給は年1回。
ボーナスは年2回。6月と12月に支給されます。
公式サイトにボーナス額の目安となる“〇ヵ月分”といった記載はありませんが、口コミでは、2回で8か月分相当の金額が支給されるとあり、ボーナスが年収に占める割合は非常に高いようです。
任天堂の社風・労働環境
社風と労働環境も確認すべき点です。
こちらについて調べました。
保守的で独創的な社風
口コミで任天堂の社風を調べると、保守的で独創的と一見、相反する言葉を見かけます。
保守的という口コミを読むと、“トップダウンないかにも日本企業らしい体質”とありましたが、任天堂には任天堂DNAという言葉があります。
この任天堂DNAは任天堂らしさを大事にするという意味もあると考えられるため、その点が人によっては保守的と感じるのかもしれません。
その任天堂DNAには独創性を重んじるとあり、実際、任天堂が過去にヒットさせたゲームやファミコン、ゲームボーイ、最近ではニンテンドースイッチなどのゲーム機は既存のものにはなかった独創的な相手アイディアから生み出されたものです。
このことから、
任天堂らしさを大事にし、独創性を重視する社風
こちらが任天堂の社風の正しい表現かもしれません。
ワークライフバランスに優れた労働環境
任天堂の公式サイトには、
有休休暇取得率88.1％。育児休業取得後の復職率と定着率は約100％
離職率は国内で1％と働きやすさを示す数字が並んでいます。
残業時間は5～29時間と幅が広く、部署やプロジェクトによる影響が大きいようです。
残業代は5分単位で満額支給と働きやすい環境であることは間違いないでしょう。
任天堂に転職するには
任天堂の転職難易度や求められるものは何があるのでしょうか。
任天堂への転職難易度
任天堂の転職難易度は高いです。
ゲーム業界で世界トップレベルの企業として高い知名度を誇り、新卒の採用倍率は80倍から最大で200倍になると言われています。
このことから考えても、中途採用の倍率も高いと考えられるでしょう。
中途採用者に求められるもの
任天堂の公式サイトには開発・企画・事務と様々な職種の中途採用情報が掲載されています。
すべての職種に共通しているのが実務経験ですが目安となる年数の記載がない職種もあります。
中途採用者には3～5年の実務経験を求める企業が多いため、同程度の経験があると良いかもしれません。
職種によって実務経験以外にポートフォリオの提出が必要な職種があるので、ご自身の希望職種では何が求められるか公式サイトを確認することが重要です。
応募条件に学歴に関するものは無かったため、採用は実務経験と面接が重視されると考えて良いかもしれません。
中途採用プロセスと面接内容
中途採用のプロセスは、
書類選考→面接(2回)
職種によってはプログラミングなどの実技試験が行われることもあります。
面接では、希望職種に関する技術的・専門的な質問がされる他に、
■任天堂製品の改善点
■任天堂の製品で遊んだことは？
■任天堂以外のゲームだと、何が好きか？
などの質問をされます。
具体性ある回答と、次の項目でご紹介する任天堂が求める人材像などを考慮した回答が必要でしょう。
任天堂が求める人材像
任天堂は公式サイトに、
“任天堂DNA”という言葉を掲げ、
■独創性
■柔軟性
■誠実さ
これらを重視しています。
さらに社員に求める人材像に、
■コミュニケーション能力
■多面的な視点
■サービス精神
■知的好奇心
■独創性・柔軟性
この5つを上げており、任天堂が重視する任天堂DNAと共に、
“主体的に常に自分が当事者という考えを持って行動し、様々な変化に柔軟に対応し挑戦し続けられる人材”
このような人材が任天堂に求められる人材像と考えられます。
Career Treeで自分の転職可能性を確認しよう！
任天堂は中途採用情報が公式サイトに詳細に記載されているため、どのような職種の募集があるのか情報が得やすくなっています。
しかし、求められる実務経験や知名度の高い企業でもあることから優秀な人材の多くが転職を希望すると考えられるため、転職を成功させるのはかなり難しいでしょう。
転職活動をスムーズに行うためには、転職のプロの力を借りるのが効果的です。
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まとめ
任天堂について、ご紹介させていただきました。
任天堂は平均年収935万円という高い報酬と充実した福利厚生など待遇面の良さだけでなく、長く愛され続けるゲームを生み出し続けていることもあり、憧れを持って就職・転職を希望する方も多いため、転職難易度が非常に高い企業です。
任天堂のような世界的企業への転職を成功させるためには転職エージェントに登録し、転職のプロのサポートを受ける事が有効です。
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