化粧品の製造・販売で国内シェア1位の資生堂。
その販売網は国内にとどまらず世界130の国や地域に展開しており世界シェアは4位。
売上高の半分近くを海外で得ており、今後も海外での事業展開が期待されています。
知名度の高さから資生堂は就職・転職先としても人気の企業ですが、今回は資生堂に転職を検討されている方に事前に知るべき様々な情報をご紹介していきます。
資生堂の平均年収
公表されている有価証券報告書から平均年収を調べると、資生堂の平均年収は716万円。
平均勤続年数は11.9年。
平均年齢は39.0歳でした。
国税庁調べの民間給与実態統計調査によると国内の平均年収は436万円。
平均勤続年数は12.4年。
平均年齢は46.7歳となっています。
資生堂の平均年収は国内平均年収の1.6倍。
平均勤続年数はわずかに劣るものの平均年齢は7.7歳若くなっています。
資生堂の平均年収を2016年から2020年まで調べると、
年度 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2016年 | 734万円 | ||||
2017年 | 717万円 | ||||
2018年 | 723万円 | ||||
2019年 | 731万円 | ||||
2020年 | 716万円 |
このようになります。
平均年収・平均年齢・勤続年数が2016年に比べ、下がったのは2016年に従業員数が2,991人だったのが2020年は3,961人と従業員が1,000人近く増えており、そのほとんどは新卒社員で占められています。
資生堂はここ数年、毎年100人以上の新卒採用を行っているため、年収・年齢・勤続年数全てが下がったのは企業として若返ったのが理由と考えられます。
資生堂の職種・役職・年代・学歴別の平均年収
その他、複数のサイトから項目ごとに分けて算出し表にまとめました。
職種別の平均年収
職種ごとの平均年収はこのようになります。
職種 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
営業職 | 450~730万円 | ||||
企画職 | 630~900万円 | ||||
マーケティング職 | 540~1,030万円 |
この表ではマーケティング職の最高年収が最も高くなっていますが、どの職種も国内平均を超えているので、どの職種でも満足できる年収と言えます。
役職別の平均年収
役職ごとの平均年収を調べました。
役職 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
係長 | 約790万円 | ||||
課長 | 約1,050万円 | ||||
部長 | 約1,240万円 |
役職者の平均年収は資生堂の平均年収を超えた年収が得られるようです。
資生堂が公表しているデータから管理職に占める女性の割合を調べると国内では33.1%とされています。
平成30年に厚労省が調べた国内企業の管理職に占める女性の割合は係長相当の役職がある企業で21.7%とされており、資生堂は女性管理職者の割合が高いだけでなく/em>社員の男女比も女性が80%を超えており、女性が活躍する企業であることが数値から分かります。
年代別の平均年収
年代別の平均年収は表のようになります。
年代 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
20代 | 370~550万円 | ||||
30代 | 610~650万円 | ||||
40代 | 710~790万円 | ||||
50代 | 830~850万円 |
年収の幅を確認すると30代以降の年収幅は小さく、20代が最も年収に幅があるので20代のうちの昇給額が高いのが分かります。
学歴別の初任給
資生堂の総合職の初任給を公式サイトから調べ、厚労省調べによる学歴別平均初任給と比較しました。
・博士了:284,450円
・修士了:252,310円
・大卒 :228,890円
博士了の平均はありませんが修士了・大卒初任給ともに平均初任給を1万円以上、上回っています。
資生堂と競合化粧品メーカーとの平均年収比較
花王・コーセー・ファンケルと平均年収と売上高を比較しました。
企業名 | 設立年度 | 売上高 | 平均年収 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
資生堂 | 1872年 | 1兆1,315億円 | 716万円 | ||||||||
花王 | 1887年 | 1兆5,080億円 | 812万円 | ||||||||
コーセー | 1947年 | 3,277億円 | 867万円 | ||||||||
ファンケル | 1982年 | 1,268億円 | 588万円 |
売上高は花王がトップですが、国内シェアは資生堂が50%近くを占めトップに立っています。
資生堂は国内シェアトップ。
世界シェア4位と健闘していますが、これはプレステージが成功しているためです。
プレステージとは化粧品用語で、自社ブランドや商品に高級感を持たれるような付加価値を付けることで高価格帯の商品を販売することを言い、販売店で棚に置かれている商品を買うのではなくデパートでの対面販売などを販売方法の基本として、付加価値・高級感を強調しています。
競合他社もプレステージブランドを立ち上げるなどしていますが、資生堂は半世紀前から海外進出した強みを活かし、化粧品市場の規模が大きい中国では通販大手企業と連携するなど販売網の強化とブランドのイメージアップを図るなど様々な取り組みを行い、中国をはじめとしたアジア市場ではシェア1位と国内シェアのみならず世界シェアも好調に高めています。
■関連記事
・花王の年収は低い?職種・役職・年代別給与や昇給制度についても解説!
化粧品業界の年収傾向と生涯賃金について
資生堂の平均年収は国内平均を上回っていることをご紹介しましたが化粧品業界全体の平均年収はどの程度なのでしょうか。
資生堂と化粧品業界の生涯賃金も含めて調べました。
化粧品業界の年収傾向
化粧品業界の平均年収は530万円ほどで国内平均年収436万円を約20%上回っています。
化粧品業界は景気にされやすい業界ですが、これまで顧客となりえなかった男性向け化粧品の開発・販売が好調なのに加え、海外市場の開拓。
特にアジアでの日本メーカーの化粧品需要が高く、中国の化粧品市場は4兆円と国内市場の2.5倍あると言われていることから各メーカーの海外進出はさらに高まるものと考えられます。
近年、化粧品市場規模は国内外どちらも上昇し続けていることから、化粧品業界全体の平均年収も連動して上がっており、今後も資生堂をはじめとした化粧品業界全体の売上・平均年収も上がっていくと予測されています。
生涯賃金について
化粧品業界の生涯賃金は2億3,000万円前後と推定されます。
対して、資生堂の生涯賃金は3億2,000~3,000万円の間と推定され、業界平均より1億円。
1.4倍ほど上回る計算になります。
この金額の差は資生堂が業界トップシェアを誇る大手企業であり毎年、好調な売上高を維持していることが理由として挙げられます。
資生堂の福利厚生制度と休暇
資生堂の福利厚生・休暇制度をまとめました。
福利厚生制度 | 内容 | ||||
---|---|---|---|---|---|
休暇 | 年間休暇124日、完全週休二日制(土日)完全週休二日制(土日)、祝日、年末年始、有給休暇、慶弔休暇、リフレッシュ休暇等 | ||||
育児・介護 | 産前産後休暇、育児・介護休業制度、看護休業制度 | ||||
財産形成・共済制度 | 退職金制度、財形貯蓄、社員持株制度、カフェテリア制度(選択型福利厚生プラン) | ||||
諸手当 | 時間外勤務手当、交通費、住宅手当、営業手当 | ||||
各種保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 | ||||
その他 | 独身寮、社宅、健康診断、事業所内保育施設、自社商品割引 |
資生堂の福利厚生は、これらの充実した制度があり育児休業は子供が満3歳になるまで通算5年まで取得可能で小学3年生になるまで1日2時間時短勤務が可能だけでなく、年間休暇130日前後とワークライフバランスに優れた働き方ができます。
この他、退職金制度は確定拠出年金と前払い制度のどちらかを選択できるようになっており、社員の退職後の生活も支援する仕組みも確立されています。
資生堂の昇給・評価制度とボーナス・残業代について
昇給制度は年収に大きく影響を与えます。
資生堂の昇給制度はどのようになっているでしょうか。
ボーナスや残業代についても調べました。
資生堂の昇給・評価制度
昇給は年1回。
4月に行われます。
店舗や部署によって目標が設定されており、そこに所属する社員それぞれにも目標が設定されます。
この目標はノルマとは異なり達成率が評価され、達成できなくともマイナス評価は無いとされています。
達成率を直属の上司が評価する形式になりますが、この制度は近年、新たに取り入れられたものでまだ制度として不完全な部分があり、口コミでは以前の年功序列式の昇給の傾向が強いようです。
ボーナス・残業代について
ボーナスは年3回。
6・12・3月に支給されます。
ボーナスは業績と給与同様、目標の達成度が評価されるため、個人ごとに支給額に変動があります。
口コミや複数のサイトの金額を確認するとボーナス額は3回で給与3~4か月分ほどのようです。
残業時間は30時間前後のようで残業代は満額支給されます。
部署によって残業時間の変動が大きく、ほとんど残業がない部署もあれば、平均を超える部署もあるなどまちまちのようです。
資生堂は残業時間を減らしていく労働環境構築を目指しており、以前と比べると残業時間は減少傾向にあります。
働き方改革の影響もあるため、今後も残業時間は減っていくと予想されます。
資生堂に転職するには?
資生堂の転職難易度や中途採用状況などを調べました。
資生堂への転職難易度
資生堂は新卒採用の倍率は90~100倍ほどと言われています。
新卒者の就職先として、これほどの人気があれば転職先としても人気と考えるのが自然です。
資生堂の中途採用は部署や役職にもよりますが、欠員が出た場合の補充程度しか採用数がないことが多く、中途採用者には即戦力が期待されることもあり、空きポストに見合う経験やスキルも求められ、未経験での採用は難しく転職難易度は非常に高いと考えておくべきです。
また、資生堂の社員の方の出身校を見ると有名校が多く、様々な大学出身者を採用していることから学閥は無いようですが中途採用でも学歴や出身校が選考基準<になっている可能性があります。
中途採用に関して未公開となっている情報が多いため、転職エージェントに登録し情報収集することが必要となるでしょう。
資生堂が求める人材像とは
公式サイトには求める人材像として、
■ プロフェッショナル人材
■ 自立型人材
この2つが掲げられています.
専門性の高い知識を吸収する姿勢を常に持ち、その知識を自身の仕事に活かし、コンスタントに新たな価値を生み出せる人材。
自発的に仕事を創り、その仕事で見つけた利点や課題を次の仕事に活かすにはどうすべきかを判断できる人材。
このような考えを持ち実践できる人材が資生堂の求める人材像と考えられます。
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資生堂の中途採用は欠員補充の要素が強く募集人数も欠員状況次第でコンスタントに募集される訳ではないので欠員の空き具合やタイミング。
競争倍率の高さと資生堂への転職は非常に難しいでしょう。
転職を成功させるには、まず資生堂の中途採用情報について常に確認する必要がありますが個人で行うのは難しいため、転職エージェントに登録することが有効です。
転職のプロの転職エージェントは資生堂の最新の中途採用情報だけでなく、公開されていない求人情報がある場合もあるため、即応できる体制が整っています。
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まとめ
資生堂は、その知名度だけでなく世界130を超える国や地域で事業を展開しているグローバルな企業でもあり平均年収716万円と収入も高く、収入・スキル・キャリアいずれもアップが期待できる企業です。
福利厚生面では社宅や住宅手当。
子供がいる場合の時短勤務や休業など育児に関する手厚い制度の他に選択型の年金制度など退職後の社員の生活も見据えた制度も充実しています。
しかし、中途採用は欠員補充の色合いが強く採用人数も多くないため、競争倍率は高くなるとが予想されるため、転職難易度はかなり高くなるでしょう。
資生堂のような大手企業への転職を成功させるには転職エージェントに登録し、転職のプロのアドバイスを受けるなどして転職の成功確率を上げることが重要です。
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