富士通の年収はいくら?役職・年齢別や業界と比較して説明!

パソコンやスマートフォンでおなじみの富士通。歴史ある電機メーカーで、日本を代表する大企業のひとつです。一度は製品に触ったことがあるという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、富士通の年収や福利厚生、社風や労働環境について解説しています。あわせて、富士通への転職に必要な情報収集方法についても紹介していますので、参考にしてみてください。

富士通の平均年収

富士通の2021年の有価証券報告書によると、富士通の平均年収は865万円です。また、平均年齢は43.8歳、平均勤続年数は19.6年となっています。

国税庁の令和元年民間給与実態統計調査によれば、国内の平均年収は436万円です。富士通の平均年収はその約2倍の高水準となっています。

平均年収が高い理由としては、ITサービスを提供する企業において売上高は国内1位、世界でも4位の規模を誇る大企業であることが挙げられます。加えて、日本で初めてコンピュータの製造に成功した企業でもあり、官公庁や企業に対するサーバー、ITの構築事業で、安定的な高い業績をキープしています。

また、転職サイトdodaのデータによると、2020年度のメーカーの平均年収は「453万円」となっています。富士通は、業界内でも高い年収であることがわかります。

富士通の職種・役職・年代別の平均年収、採用大学実績

次は、富士通の職種・役職・年代別の平均年収、採用大学実績を見てみましょう。
なお、ここでは、OpenWorkを参考に、実際に富士通への勤務経験がある人の声をもとにして、各項目の平均年収を算出しています。

職種別の平均年収

まずは職種別の年収についてです。富士通の職種には、以下があります。

■ セールス&マーケティング
■ ソリューション&サービスエンジニア
■ 開発
■ 研究
■ コーポレート

ここでは、特にOpenWorkへの投稿が多かった「SE」「営業」「コーポレート」に分類して平均年収を紹介していきます。

職種 平均年収
SE 700〜900万円程度
営業 600〜800万円程度
コーポレート 500〜700万円程度

職種により年収にやや差が見られるものの、富士通の年収は役職や年次によって決まる部分が大きいようです。

役職別の平均年収

次は役職別の年収についてです。役職別に見ると、目安としては以下のような年収となります。

役職 平均年収
一般 400〜800万円程度
課長 850〜1,000万円程度
マネージャー 900万〜1,200万円程度
部長 1,100〜1,300万円程度
事業部長 1,300〜1,600万円程度
本部長 1,700万円以上

一般社員の年収が400〜800万円程度と差がありますが、これは年次により決まる部分が大きいという声が多く見られました。

年代別の平均年収

最後に、年代別の年収についてです。役職の有無などによって年収は異なりますが、ここでは、年代別の年収の目安として、勤続年数に応じた年収の例を見てみます。

勤続年数 年収目安
勤続3年未満 営業:500万円
SE:500万円
コーポレート:620万円
勤続3〜5年 営業:510万円
SE:610万円
コーポレート:430万円
勤続5〜10年 営業:550万円
SE:630万円
コーポレート:650万円
勤続10年以上 営業:900万円
SE:950万円
コーポレート:1,000万円

年功序列の傾向が強く、勤続年数が長くなるにつれ、年収は上がることがわかります。

近年の平均年収推移

直近4年間の売上収益と平均年収の推移を表にまとめました。

年度 売上 平均年収
2017年 4兆983億円 790万円
2018年 3兆9524億円 799万円
2019年 3兆8577億円 804万円
2020年 3兆5897億円 803万円

2019年度から2020年度にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売上収益が減少しています。一方で、平均年収に関しては目立った減少はみられず、2021年度の平均年収に注目が集まるところです。

採用大学実績

早稲田大学、慶應義塾大学、大阪大学、明治大学、北海道大学、東京工業大学、東京理科大学、東京大学、神戸大学、東北大学、同志社大学、九州大学、名古屋大学、京都大学、上智大学、ほか
参考:就職四季報2022年版

四季報には、一部の採用大学しか記載されていませんでした。

おそらく上位大学のみが優先して記載されていますが、上記のデータを見る限り、高偏差値の大学出身者の採用顔大半を占めていると推測できます。

富士通の新卒の給料

ここでは、富士通の新卒者の初任給について紹介します。
富士通公式HPに記載の2021年の新卒募集要項では、以下のように初任給が設定されています。

■ 修士了:月給240,000円
■ 大学卒:月給225,000円
■ 高専卒:月給190,500円

なお、職種による初任給の差はなく、最終学歴によって初任給が決められることがわかります。

富士通の昇給制度やボーナスについて

次は、富士通の昇給制度およびボーナスについて見てみましょう。

昇給制度について

上で紹介した平均年収を見てもわかる通り、富士通は年功序列の風土が強く、年次が上がるにつれて昇給する傾向があります。

実際に富士通で勤務経験のある人の声によると、昇給は年に1回のコンピテンシー評価によって決まるようです。また、給料は「基本給」と「グレード給」によって構成されているそう。

しかし、グレード給についても、年次が経つと上がっていくことが多く、結果として年功序列で昇給することになるとのこと。

しかし「最近では年功序列から脱却しようとする動きも見られる」という声もありました。

ボーナスは年2回

富士通のボーナスは、夏と冬、年に2回付与されます。ボーナスの額は年に2回の成果評価によって決定されます。成果評価は所属長との面談によって付けられるようです。金額としては、基本的には4ヶ月前後分が給付される人が多いとのことです。

富士通の福利厚生や労働環境は?

ここでは、富士通の福利厚生および労働環境について紹介します。

福利厚生制度

富士通には、大手企業らしく充実した福利厚生制度が用意されています。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

■ 通勤費補助支給
■ ファミリーアシスト給付
■ 家賃補助
■ 寮
■ 社員持株
■ 財形貯蓄
■ 各種保養施設

また、最近ではコロナウイルスの影響を受けてリモートワーク化が進められ、テレワークで必要となる備品や光熱費の補填として月に5,000円が手当てとして給付されているようです。

残業時間が長い

富士通で勤務経験のある人の声を調べると、「残業時間が長い」という声が少なからず見受けられました。

特にSEなどでは、サービスのリリース前後などは忙しく、多くの社員が深夜まで働くということもあったそうです。

しかし、最近では働き方改革の影響により、残業時間も減少している傾向にあるようです。

ビルへの入退室の時間からパソコンの起動時間までが記録されているため、サービス残業もなくなっているという声がありました。

職種によって仕事量が変わる

富士通では、職種によって仕事量が異なります。OpenWorkでも「毎月上限まで残業する人が多い部署と、毎月ほぼゼロという人が多い部署とがある」という投稿がありました。

具体的に見てみると、特にSE・営業は顧客相手の仕事であるため、どうしても仕事量に波があり、仕事が多い時は上限まで残業をすることもあるようです。

一方、コーポレート部門は、社内向けの業務がほとんどであるため、ライフワークバランスをとりやすいという口コミが見られました。

競合企業との平均年収比較(NEC/NTTデータ)

売上と平均年収の比較

ここでは、富士通と競合他社、NEC・NTTデータとの売り上げや平均年収を比較してみましょう。なお、売り上げ高は2019年度の連結業績を、平均年収は各社の有価証券報告書を参考にしています。

企業名 設立年度 売上高 平均年収
富士通 1935年 38,577億円 803.7万円
日本電気(NEC) 1899年 30,952億円 814.8万円
NTTデータ 1988年 21,636億円 828万円

表を見ると、富士通は競合他社と比較しても最も高い売り上げを誇っていることがわかります。

役職別平均年収の比較

富士通と競合との年収を比較していきます。今回は、同業大手の日本電気とNTTデータとアクセンチュアと役職別の平均年収比較を行いました。

企業名 課長の平均年収 部長の平均年収
富士通 1,214万円 1,342万円
日本電気(NEC) 1,150万円 1,300万円
NTTデータ 1,220万円 1,350万円
アクセンチュア 900〜1,200万円 1,200〜1,800万円

富士通の平均年収は、同業大手の課長クラス、部長クラスとも同じくらいの水準ということがわかります。

唯一、外資系で平均年齢も低いアクセンチュアは課長(マネージャー)や部長(シニアマネージャー)の役職内でも年収には幅があり、比較しづらい結果となりました。

課長クラスは、幹部候補のスタートラインです。課長は多くの企業では「中級管理職」に位置しており、係長よりも管理職としての職務権限が出てくるとともに、マネージャーとしての働きが必要になってきます。そして、課長というのは「現場」で直接的に部下と仕事を行い、会社の戦略を実際に行う立場となっていますが、部長となると会社を経営する立場になります。そのため、人材マネジメントや業務マネジメント、リスクマネジメントなどが主な業務になります。また部長になると自ら責任を取る覚悟が必要など職責が重くなるので、必然的に高い年収になってきます。

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富士通の直近業績について

富士通の売上・利益の推移

富士通の売上収益の推移を示したのが下図左(棒グラフ)で、営業利益の推移を示したのが下図右(棒グラフ)です。(参照:富士通HP財務・業績情報より

ハードからソフトへと売上構造が変化している中で全体の売上金額は低下(2016年から2020年で9,199億円減)していますが、営業利益額は向上(2016年から2020年で1,375億円増)、営業利益率も大幅向上(2016年の2.8%から2020年では7.4%)しています。

富士通のセグメント別売上推移

富士通の売上収益をセグメント別で表したのが下図左(円グラフ)で、さらにその8割以上を占めるテクノロジーソリューションの売上推移を表したのが下図右(棒グラフ)です。(参照:富士通HP財務・業績情報より

 

2020年度のテクノロジーソリューション(売上全体の82.9%)は、売上収益3兆436億円、営業利益1,884億円、営業利益率6.2%となりました。新型コロナウイルス感染症による商談の停滞や延伸が大きく影響し、売上収益は減収となりましたが、グローバル経営やDX強化やデータ経営強化などによって、品質管理の向上やリモート開発・保守の拡大などで採算性が改善するとともに、海外ビジネスの採算性改善や営業費用の効率化も 進み、営業利益は増益、営業利益率の改善につながっています。

テクノロジーソリューションの2021年度の予想値としては、売上収益3兆2000億円に対し、営業利益7.5%。2022年度の中期計画では売上収益3兆5000億円に対し、営業利益10%を目指しています。

富士通が求める人材像と転職について

ここでは、富士通がどのような人材を求めているのか、転職するために必要なことについて紹介します。

富士通が求める人材像とは

ここでは、富士通の公式HPから見えてくる、富士通が求める人物像について紹介します。

はじめに、富士通の採用ページには、「富士通の求める人物像」として、以下が明記されています。

■ 未知なるものに対して、楽しんで取り組むことができる人
■ 志を持って、挑戦・探求し続けることができる人
■ 困難なことに対して、最後までやり遂げることができる人

HPでは、各項目に対して、なぜこのような人が必要なのかという詳細が記載されています。

簡単にまとめると、それぞれ「変化の激しい時代において、受け身ではなく、自ら興味を抱き、取り組んでいけるような課題解決を行う推進力を持った人」「富士通のDNAを継ぐような自らの志を持ち、実現のために、挑戦・探求し、継続していく人」「責任感を持ち、最後までチームとして仕事をやり遂げられる人」が求められています。

転職活動においては、このような人物に合致することを示すため、課題解決や新たな領域に挑戦した経験、チームで何かを成し遂げた経験などのエピソードを語ることが大切と考えられます。

富士通に転職するには?

富士通は、中途者の採用に積極的な企業です。富士通では中途採用は一般的な転職希望者の募集に加え、「第二新卒採用」「リファラル採用」「カムバック採用」と細分化されています。

第二新卒採用では、新卒入社後3年以内の転職希望者に加え、3年以上経過していても、将来の成長可能性を重視し対象とされています。

リファラル採用とは、社員が知人・友人を紹介する採用手法、カムバック採用とは、育児・家族介護・配偶者の転勤などの事情で退職した社員が、再度富士通で働ける制度です。

各種採用方法において、頻繁にセミナーやイベントが開催されているため、参加してみることをおすすめします。

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まとめ

ここまで、富士通の年収や福利厚生、制度について見てきました。

業界内でも高い平均年収に、充実した福利厚生制度。「残業・仕事量が多い」という印象を持つ人も多かったかもしれませんが、働き方改革やテレワーク化の推進により、働きやすくなっているようです。

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