マッキンゼーの平均年収はいくら?役職別の年収や仕事環境・就職試験についても紹介!

マッキンゼーロゴ

マッキンゼー・アンド・カンパニーは世界中に支社を持ち、各国の主要産業の発展に携わっている戦略系コンサルティングファームです。

年収が高水準で、優秀な人材が集まるイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。

本記事では、マッキンゼー・アンド・カンパニーの平均年収や役職、仕事環境や就職するために知っておいたほうが良いことについて解説していきます。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの平均年収は?

マッキンゼーは平均年齢30歳程度で、平均年収が1,700万程度と推測され、非常に高い水準となっています。

給与は職位によって大きく異なり、新卒からの昇進の場合はかなりの昇給が見込めます。

業績や評価によって上がり幅は変わりますが、年収は毎年6〜8%上がっていくイメージです。

在籍し続けていれば毎年100万円ほど年収が上がる場合も少なくありません。

ボーナスは評価によって0にもなれば、基本支給額の2倍になるケースもあります。

また、マッキンゼーには退職金積立制度があり、報酬の一定割合が積み立てられます。

一定年数経過後の退職であればその積立金を受け取ることが可能で、目安として在籍5年間で退職した時に返ってくる積立金は1,000万円ほどです。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの役職とそれぞれの平均年収

非常に高水準なマッキンゼーの平均年収ですが、役職別に見てみるとどうなのでしょうか。

詳しく見ていきましょう。

役職の種類と平均年収

マッキンゼーのキャリアパスは「スペシャリスト」と「ジェネラリスト」の2種類がありますが、年収に大きな差はありません。

ですが職位によっては大きな違いがあり、1つ職位が上がっただけで年収が数百万上がるということもあります。

本記事では、口コミなどからおおよその年収を算出しているので、参考程度にお考えください。それでは7種類の職位を順番に見てみましょう。

ビジネスアナリスト

国内外の大学・大学院に在籍する新卒学生、または大学(学士、修士)既卒で実務経験が2年未満で入社した場合、職位はビジネスアナリストになります。

ビジネスアナリストはプロジェクトの課題解決のための情報収集・分析、顧客企業へのプレゼンなどを担当します。

このポジションで経験を積んでいくと、次のジュニアアソシエイトへの昇進、海外留学、海外オフィス勤務などの道もあります。

年収は600〜800万円ほど。新卒アナリストの給与は低めで辛いものの、日本の大企業に比べると多く、アソシエイト以上のレベルになれば年収や待遇がかなり良くなります。

ジュニアアソシエイト

2年以上の実務経験がある場合、MBAに在籍している場合などはアソシエイトへ応募することができます。

ジュニアアソシエイトはビジネスアナリストと同様に、プロジェクトの個別分野の担当に加え、プロジェクト全体の課題の特定、仮説の検証、海外からの情報収集・分析などを行います。年収は800〜1,200万円ほど

アソシエイト

実務経験などを考慮され、十分だと判断された場合はアソシエイトのポジションで入社することもできます。

アソシエイトはジュニアアソシエイトよりも、さらに高度で広範囲の業務を担当していくことになります。

通常の業務もこなしながらマネージャー前のポジションとして、マネージャーになるために必要な知識や経験を培っていくことが大きな目標です。

年収は1,200万円〜1,500万円ほど

エンゲージメントマネージャー

エンゲージメントマネージャーはプロジェクトのリーダー的存在として、進捗状況や業務の割り当てなどを管理していきます。

また、自分の部下に対して評価をし、フィードバックを与える立場でもあります。

エンゲージメントマネージャー以上になると、コンサルティングの実務能力がアナリストやアソシエイトよりも、遥かに秀でています。

つまりエンゲージメントマネージャーになるにはそれだけの実務能力が必要ということになります。年収は1,500万円〜2,000万円ほど。

アソシエイトパートナー

アソシエイトパートナーは、プロジェクトにおいてエンゲージメントマネージャーよりさらに高度なマネージメントを行います。

パートナーの1つ前のステップとして、クライアントとの関係の構築など、重要な仕事もこなしていきます。年収は2,000万円〜4,000万円ほど

パートナー

プロジェクトの最高責任者として、プロジェクトの進行、サービスの品質などすべての役割を担います。

また自らが主体となって、クライアントとの関係を構築し、あらたな顧客の獲得へ向けて動いていきます。年収は4,000万円以上

ディレクター

ディレクターは職位における最高のクラスで、経営にも携わってくるようなレベルです。

一般的な企業の取締役に相当します。このクラスになると該当する人が少なくなるため、年収も不明で5,000万円とも数億とも言われます

もちろん売り上げなどにも左右されますので、それ以上の可能性もありますが、実質不明ということになります。

以下にそれぞれの役職別の平均年収をまとめました。

役職名 平均年収
ビジネスアナリスト 600〜800万円
ジュニアアソシエイト 800〜1,200万円
アソシエイト 1,200〜1,500万円
エンゲージメントマネージャー 1,500〜2,000万円
アソシエイトパートナー 2,000〜4,000万円
パートナー 4,000万円〜
ディレクター 詳細不明

勤務年数と平均年収の目安

転職を考えている人にとって、どのくらいの勤務年数でどのくらいの年収になるのかは、気になるところだと思います。

マッキンゼーの年収はポジションに依存するところが多いため、勤続年数が長ければ年収も高くなるというものではありません。

ここでは参考までに、入社何年でどのくらいの年収になるかの目安をご紹介します。

新卒入社時の年収

新卒で入社した場合は、多くの場合ビジネスアナリストか、ジュニアアソシエイトのポジションからスタートすることになります。

そのため、年収は600〜800万円ほどですが、初任給は600〜700万円になることが多いです。

それから3〜5年在籍した場合、1,300〜1,500万円までいくこともあり、さらに実績によりボーナスもあるため、合計1,400〜1,700万円にもなります。

また、5〜10年の在籍でマネージャーになれれば、年収2,000万円に到達することも可能です。

中途採用の場合の年収

中途採用で入社した場合は、これまでの経験によって与えられるポジションが大きく変化します。

在籍3〜5年で1,300〜1,500万円、中には3年未満でも1,500万円〜1,800万円をもらう人もいますので、実力が大きく影響していることが分かります。

5年以上務めた場合は、2,000万以上も狙えますが、入れ替わりの激しい業界ですので、そこまで長い期間在籍する人は多くありません。

これらのデータからみると、新卒と中途の差は最初だけ新卒が低い傾向にあり、その後数年でほぼ同じぐらいの水準になるようです。

アソシエイトレベルになるだけでも1,000万を超えてさらにボーナスも支給されますので、誰にでもチャンスがあり、最初の数年でもかなり収入を上げることができるでしょう。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの年収が高い理由

新卒1年目から年収600~700万円という高額な年収が与えられるマッキンゼー。
それには、どのような理由があるのでしょうか。

高いコンサルフィー

コンサルタントファームへの依頼料。
コンサルフィーは、契約内容やコンサルタントファームによって、変わりますがマッキンゼーは他のコンサルタントファームと比べ、高額と言われています。

マッキンゼーは世界有数のコンサルティングファームのネームバリューがありますが、そのネームバリューに恥じない質の高いコンサルティングを提供しています。

日本国内だけ見ても様々な業界の企業の上位30社のうち、70%もの企業がマッキンゼーのサポートを受けていることから、高額なコンサルフィーを支払うだけの価値がマッキンゼーのコンサルティングにはあると企業が判断していることが分かります。

質の高いコンサルティングを維持・提供するためには優秀な人材が必要で、優秀な人材には見合った報酬を支払う。

この考えがマッキンゼーの年収が高い理由でしょう。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの昇給・評価制度について

職位ごとの年収はご紹介しましたが、昇給と評価制度はどのようになっているでしょうか。

実力主義の昇給・評価制度

マッキンゼーは半年に1回、評価が行われます。

昇給に関する評価は直属の上司が行うのが一般的ですが、マッキンゼーではプロジェクトごとにエンゲージメントマネージャーが複数の項目の評価を行い、さらに上の職位者と評価を協議します。

スタッフ育成を専任に行うメンターもその評価にアドバイスを行い、昇給・評価が決定されます。

この評価は全世界の支店、共通の基準で行われるため所属する支店によって基準が異なるようなことはなく、高い公平性があると言われており、不満が出にくい納得が出来る制度と言えるでしょう。

マッキンゼーでの職務経験に応じて昇給

コンスタントに実績を積み重ね、一定の評価を得ることによって在籍5年でボーナスを含め年収1,400~1,700万円になるとご紹介しましたが、これはマッキンゼーに5年勤められた方が到達する平均です。

在籍10年で職位に見合う経験を基に実績を残すことで年収は3,000万円以上。
職位だとアソシエイトパートナーかそれ以上の職位に就くことも可能となっていきます。

ただし、これはご紹介しているように職位に見合った実績を常に残した場合です。

年功序列で昇給・昇進するわけではないので、職位と職務経験に見合った実績を残せなければマッキンゼーでは昇給も昇進も見込めません。

仕事において挑戦する気持ちが強い方にとって、マッキンゼーの昇給制度は最も適した制度と言えるかもしれません。

マッキンゼー・アンド・カンパニーの退職金と離職率

マッキンゼーのように高水準な年収が期待できる企業は激務が想像されます。
離職率や退職金制度はどうでしょうか。

離職率は高い

マッキンゼーの離職率は公表されていませんが、3~5年で退職される方が多いようです。

理由の1つに激務が挙げられます。

クライアントは大手企業が多く、マッキンゼーのように世界的に有名なコンサルティングファームに依頼する以上、高い質を伴ったコンサルティングを求めます。

クライアントが満足できる高い質のソリューションを生み出すために時間と手間がかかり、その負荷が大きいために激務となってしまうため、短期間での退職者が増える要因となるようです。

退職金はどのくらいもらえる?

コンサルティングファームの多くは高水準な年収を得られますが福利厚生面は日本企業と比べ、貧弱とされています。

しかし、マッキンゼーの福利厚生は手厚いとされ、中でも退職金制度は充実しています。

マッキンゼーでは年収の約16%に相当する金額を年収とは別に積み立て、退職時に積み立てた金額が支給されます。

平均年収1,700万円で計算すると1年間の積立額は272万円ほどになり、これに在籍年数をかけます。
在籍5年間で1,000万円ほどが退職金として返ってくるとご紹介したように、一般的な企業の退職金とは比較にならないほど高額な退職金が支払われることになります。

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マッキンゼー・アンド・カンパニーの仕事環境

これまで見てきたとおりマッキンゼーの年収は非常に高水準となっていますが、仕事環境や仕事量はどうなのでしょうか。

マッキンゼーは激務?

大手法人向けの戦略コンサルティングの仕事はかなり高いクオリティーを求められ、人によっては強いプレッシャーを感じることもあります。

配属先にもよりますが、手取り足取り面倒を見てもらえるわけではなく、少しは自分で学ぶ姿勢をアピールしていく必要があります。

1つのポジションに長く留まることは許されず、Up or Out(成長するか退職するか)が徹底されており、常に成長を求められるというのが基本的な方針になっています。

とはいえ、自分の力で成長しろというような放置心は一切ありません。

マッキンゼーでは、上司を含め周りから十分すぎるほどフィードバックをもらえ、今何ができているか、昇進のためにどこまでできればいいか、を説明してもらえます。

また自分の意見も表明できるため、一時的に評価が悪くなったとしても十分に挽回のチャンスはあります。

そのため、向上心があるならステップアップしやすい環境であるといえます。

評価はプロジェクトのマネージャーが仕事ぶりを見て判断します。

基本的には行動や振る舞いが評価の対象になります。

評価は年に2回行われ、役員が各社員の仕事ぶりを複数の上司からヒアリングし、それを役員会でプレゼンして決定という流れです。

この評価システムに関しては良い印象を持っている従業員が多く、厳しいもののフェアで非常によくできており、評価の基準も明白だという声があがっています。

残業・休暇について

マッキンゼーでは仕事が終わらなければ残業の必要があり、慣れてくるまでは生活のバランスを取ることが難しいこともあります。

過半数の従業員は午後10時の退社、残りの従業員は午後8時だったり、夜中まで残ったりという状況になっています。

もちろんこれは、プロジェクトの進捗状況などにも依存します。

ですが、あまりに残業が多いと「仕事ができない人」という印象を持たれてしまう可能性があるので、気をつけなければなりません。

また、事務として働く場合は、慣れてくるとどんどん仕事を頼まれるため、残業や休日出勤が多くなることもあります。

マッキンゼー・アンド・カンパニーが求める人材像

マッキンゼーが求める人材像としてホームページで掲げているのは、顧客企業や地域社会に対して、価値のある変化をもたらすことのできる優秀な人材であるということです。

マッキンゼーに入社後は、日本の主要産業のさらなる成長や、次世代産業の日々のイノベーションに携わることになります。

そのために必要な知識や経験を多く得て、積極的に成長してくれる人材をマッキンゼーは求めていると言えるでしょう。

そして、最も大事なことは将来リーダーとなれるような人材を求めているということです。

マッキンゼー・アンド・カンパニーに就職するには

マッキンゼーは面接の数が多く、就職難易度が非常に高いことで有名です。

応募条件や就職試験の内容について紹介します。

マッキンゼーの応募条件や必要なスキルは?

マッキンゼーのホームページに記載されている応募条件は以下のようになっています。

■ 国内外の4年制大学の卒業資格取得者、もしくは卒業見込みの方
■ 現・前職務において、求められる成果を達成し、高い評価を得ていること(職務経験のある方のみ)
■ 日本語での業務遂行能力があること(日本語が母語でない方は、日本語能力試験N1またはハイレベルなビジネス日本語力を有していること)
■ ビジネスレベルの英語会話力があること(職務経験のある方のみ)

中途採用では、ケース面接はすべて英語で行われるため、応募条件にもあるようにビジネスレベルのかなり高い英語力が求められます。

一般的に戦略コンサルファームでは、面接の回数は多いことが知られていますが、マッキンゼーも例外ではなく最大で6回のケース面接があります。

また、職務経験がある場合のみビジネスレベルの英会話力が必要と書かれていますが、職務経験がなくても一定以上の英会話力は必要になると思われます。

すべての応募条件をみても、どちらかというと中途採用の条件の方が厳しい印象です。

マッキンゼーの選考・試験について

マッキンゼーの選考プロセスは、4つの過程からなっています。ケース面接は最大6回あり、厳しい印象を受けます。そして、一度選考に参加すると、向こう2年間は再応募できないルールがあることを覚えておきましょう。近年では、オンラインでの面接も行なっています。

1.書類選考
・日本語、もしくは英語の履歴書を提出する
2.適性検査
・ペーパーまたはオンラインでの検査
・日本語もしくは英語で実施
・場合によっては適性検査がないこともある
3.一次ケース面接 1〜3回
・対面、ビデオ会議、電話会議のいずれかで実施
・日本語もしくは英語で実施
・通過した場合は次の最終面接の案内が送られてくる
4.最終ケース面接 1〜3回
・対面、ビデオ会議、電話会議のいずれかで実施
・日本語もしくは英語で実施

マッキンゼーに転職するには?

マッキンゼーは通年で積極的に採用活動を行なっています。

そのため、時期を待たなくても自分の転職したいタイミングで応募することができます

マッキンゼーに入社する人たちは、様々なバックグラウンドを持っており、弁護士・建築士・医師・国家公務員・ベンチャー企業・エンジニア・研究者・金融機関・商社など、様々な採用実績があります。

面接では先ほどご紹介した「英語での会話力」はもちろん、論理的な思考能力ができているかということも審査項目に入っています。

正解を答えるよりも、どのようにその答えに行き着いたか、という部分のほうが重要視されます。また、リーダーシップ能力や問題解決能力があるかどうかも見られていることを忘れないでください。

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まとめ

マッキンゼーは、外資系戦略コンサルティングファームでよくある実力主義の会社です。

Up or Outという社風もあり厳しいイメージがありますが、どちらかというとフェアな人事評価が整っている環境です。

福利厚生としても、育児のための休暇(男女とも)や、軽い朝食やお菓子などが無料で提供されたり、ランチ付きの会議があったり、夜の食事代が経費で落とせたりと、とても充実しています。

求められる能力はもちろん高いものになりますが、その分年収や待遇に反映されていますので、キャリアアップや年収アップに意欲的な人にとっては、最適な会社なのではないでしょうか。

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