日本政策投資銀行は、政府系金融機関として2008年に設立にされました。
株主は、財務大臣で財務省所管の政策金融機関として、中小企業支援を目的とした融資や産業、業界全体の育成を目的とした公益性の高い融資を行っています。
本記事では、民間銀行と異なる公益性の高い事業を行う日本政策投資銀行の平均年収や福利厚生等の、転職を検討する際に確認しておくべき様々な情報をご紹介いたします。
日本政策投資銀行の平均年収
有価証券報告書から日本政策投資銀行の平均年収を調べると、平均年収は1,001万円、
平均勤続年数は、13.4年とされています。
国税庁調べの令和元年民間給与実態統計調査によると、国内の平均年収は436万円と公表されており、日本政策投資銀行の平均年収は国内平均年収の2.3倍もの高報酬となっています。
日本政策投資銀行と同じ業種である、金融業の平均年収をdodaの業種別平均年収で調べたところ、448万円でした。
こちらと比較しても、日本政策投資銀行は、2.2倍と高報酬であることが分かります。
日本政策投資銀行の役職・年代別の平均年収
日本政策投資銀行の職種・役職・年代別の平均年収をOpen Work、doda、その他のサイトから算出しましたが、実際の年収と異なる可能性もございます。
役職別の平均年収
役職別の平均年収は以下の通りです。
役職 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
係長 | 1,080万円 | ||||
課長 | 1,450万円 | ||||
部長 | 1,780万円 |
役職に就任すると、平均年収を超える年収がほぼ確実なようです。
日本政策投資銀行では係長職は30代、課長職は40代、部長職は40代半ばから後半にかけてと、年功序列による昇進が基本のようです。
年代別の平均年収
年代別の平均年収はこのようになります。
年代 | 平均年収 | doda調べ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20代 | 600~840万円 | 411万円 | ||||||
30代 | 990~1,080万円 | 615万円 | ||||||
40代 | 1,150~1,250万円 | 640万円 | ||||||
50代 | 1,240~1,290万円 | 896万円 |
doda調べの年代別平均年収と比較すると、全ての年代で大きく上回っています。
これだけ、年収面に余裕があると老後の生活に大きな不安を感じることはないでしょう。
日本政策投資銀行の学歴別の初任給
日本政策投資銀行の学歴別の初任給はどの程度でしょうか。
公式サイトを参考にまとめました。
学歴 | 日本政策投資銀行 | 平均 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
院卒 | 230,000円 | 238,900円 | ||||||
大卒 | 205,000円 | 210,200円 |
厚労省の調査による学歴別初任給と比較すると、平均年収の高さに対して意外にも初任給は平均以下となっています。
そのため、国内平均年収の倍以上の年収から、昇給額が高いと考えられます。
日本政策投資銀行とメガバンクとの平均年収比較
日本政策投資銀行とメガバンクと言われる銀行では、年収面での差はどのくらいあるのでしょうか。
三井住友銀行と三菱UFJ銀行の2行と日本政策投資銀行の平均年収を比較しました。
企業名 | 設立 | 売上高 | 平均年収 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本政策投資銀行 | 2008年 | 2,891億円 | 1,001万円 | ||||||||
三井住友銀行 | 1996年 | 3兆4,690億円 | 828万円 | ||||||||
三菱UFJ銀行 | 1919年 | 5兆3,381億円 | 774万円 |
メガバンクである2行の平均年収も高報酬と言われる金額ですが、日本政策投資銀行はその2行を大きく引き離す1,000万円台となっています。
売上高は2行の10分の1以下ですが、これは日本政策投資銀行という名称の通り、政策に沿った業務を行っており、中小企業支援を目的としたもの、短期での収益が見込みにくい事業への融資などを行っており、利益を重視した業務を行っていません。
売上高が、メガバンクの2行と比較して圧倒的に低いのはこれらが理由でしょう。
三井住友銀行の年収について詳しく知りたい方は、三井住友銀行の平均年収は?職種・役職・年代別の給与についても解説!をご覧ください。
三菱UFJ銀行の年収について詳しく知りたい方は、三菱UFJ銀行の年収は?メガバンクとの比較や職種・役職別給与も解説!をご覧ください。
日本政策投資銀行の今後は?
当初の予定では、2012~2014年頃を目標に、日本政府が所有する日本政策投資銀行の株式を全て売却することで完全民営化する予定でしたが、リーマンショック及び東日本大震災後に政策金融機関に国の関与を維持する必要があると判断され、延期されました。
以後も延期が繰り返され、2015年に5~7年後を目標に完全民営化への移行が検討されていますが現在までまだ時期は確定していません。
日本政策投資銀行は激務?社風や特徴について
銀行と聞くと激務で体育会系なイメージがありますが、日本政策投資銀行の社風や労働環境はどうなのでしょうか。
穏やかな社風
口コミ等で、日本政策投資銀行の社風を調べると、穏やか・和気あいあいといった言葉を見かけます。
金融関係は、ノルマや出世レースといった競争をイメージしやすい業界ですが、日本政策投資銀行では、そういったものは少ないようです。
公益を重視した企業文化があるためか、社員同士の競争意識は低いようです。
また、理に適ったことであれば、年次や役職など関係なく、提案できるなど風通しが良いとの声も多数あります。
労働環境は?
部署によって異なりますが、残業は月平均40時間ほどのようです。
ノルマに関する口コミは無く、人間関係に関して良好との声が多いほか、定時退社も可能と、日本政策投資銀行の労働環境は、激務とは異なる働きやすい環境のようです。
日本政策投資銀行の昇進・昇給制度は?
高報酬の日本政策投資銀行の昇給制度はどのようなものでしょうか。
年功序列の昇進・昇給制度
国の政策金融機関であるためか、日本政策投資銀行の昇給制度は、成果に応じた能力給ではなく、年功序列の昇給制度を採用しています。
口コミでは、同期は横並びの昇給であり、収入に差がつく場合は基本給ではなく、残業代などの手当であるとの事です。
昇進に関しても、課長職までは全員昇進できるようで、昇給も課長職まで横並び、部長職以降で成果が反映されるようです。
成果に応じた能力給を採用している金融業界で珍しい制度ですが、三井住友銀行や三菱UFJ銀行のようなメガバンクよりも平均年収が高いこともあり、金融業界で安定した働き方を求める方にとって日本政策投資銀行は理想の会社と言えるのではないでしょうか。
日本政策投資銀行の福利厚生、ワークライフバランス制度
福利厚生や休暇制度は、転職を考える際、確認が必要な点でしょう。
この他に日本政策投資銀行では、ワークライフバランス制度という制度を採用しています。
どのような制度なのかまとめました。
福利厚生制度
日本政策投資銀行の福利厚生制度を表にまとめました。
休日 | 完全週休二日制(土日)、祝日、年末年始 | ||||
財産形成・共済制度 | 退職金制度 | ||||
諸手当 | 時間外勤務手当、通勤費、昼食費補助、住宅手当 | ||||
各種保険 | 健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 | ||||
その他 | 独身寮、社宅、スキルアップ制度、各種資格取得補助、社内診療所 |
福利厚生は上記のようなものが用意されています。
一般的な福利厚生がほぼ揃っており、口コミでも福利厚生に関して不満を言う声はほとんど見かけません。
育児や介護に関しては、“ワークライフバランス制度”というものを採用しております。
ワークライフバランス制度
日本政策投資銀行は、社員が働きやすくするためにワークライフバランス制度を採用しています。
内容は、
■ フレックスタイム制度(コアタイムあり)
■ 配偶者の出産時の特別休暇
■ 育児休業
■ 育児参加休暇
■ 育児短時間勤務
■ 時間外労働等の制限・免除
■ 保育所利用
■ 職員向け研修
■ 在宅勤務制度
時間外労働等の制限や免除、在宅勤務制度は育児を行う社員に対してであり、また、提携保育園も用意されており、育児に注力できる体制が整えられています。
これらの育児に関する手厚いサポート制度は、働き方改革の影響も考えられますが、日本政策投資銀行の社員の平均年齢が37.3歳と若いことが理由なのかもしれません。
日本政策投資銀行に転職するには?
銀行への転職を成功させるには経験やスキル、学歴など様々な要素が絡み、難易度が高いようにも思われますが、実際はどうなのでしょうか。
日本政策投資銀行への転職難易度
日本政策投資銀行は、通常の銀行と異なる国の政策金融機関として、政策性が高い案件への融資や投資が主な業務になります。そのため、企業の利益だけで、社会全体の利益となるよう公益性も求められます。
このような業務を2020年3月現在、社員数1195名という少数精鋭で行っているため、日本政策投資銀行の転職難易度は非常に高いと考えられるでしょう。
学歴は重要?
日本政策投資銀行の新卒採用者の出身者を確認すると国公立大や旧帝大、早慶上智やGMARCH等の大学出身者が大半を占めています。
公式サイトでは、中途採用の応募資格に“就業経験がある方等”とだけ、記載されていますが採用実績を確認する限り、 学歴を重視する採用が行われている可能性もあるでしょう。
中途採用フロー
中途採用フローは、
エントリー→書類選考→面接、適正・能力試験→内定
上記の流れで行われます。
適性・能力試験は実施する場合があるようですが、どのような場合に実施されるのかは公開されていません。
面接内容は?
中途採用での面接回数は、公式サイトには記載されていませんが新卒採用では7回前後あるようなので同じように複数回あると考えるべきでしょう。
オーソドックスな質問が多く、突飛な質問はあまり無いようですが、深堀するような質問があるようなので、自己分析と日本政策投資銀行の企業研究を入念に行う必要があるでしょう。
面接にどのような傾向があるのか詳細を確認するために、転職エージェントに登録するなど、過去の面接の傾向を確認することをオススメします。
日本政策投資銀行が求める人材像
日本政策投資銀行が、中途採用者に求める人材像として、募集要項から引用・要約しました。
■ 日本の未来を俯瞰し社会的使命感を持って仕事に取り組める人材
■ 自らの経験と専門的な知識を持って社会貢献できる人材
■ 協調性をもって自律的・能動的に業務を行える人材
このような考えを持って、業務に取り組める人材が求められています。
Career Treeで自分の転職の可能性を確認しよう!
日本政策投資銀行は、2020年3月現在で社員数1,159名と銀行業としては少ないと言える規模です。
一人一人の社員には高いスキルが求められると考えられるため、中途採用者にも当然、新卒採用者にはない知識・スキル・経験が求められます。
転職希望者は、これらを熟知した上で応募するため、質の高い人材が多く、転職難易度は非常に高くなるでしょう。
日本政策投資銀行は、中途採用の募集要項を公開していますが、面接や適性試験の内容等、詳細が不明な部分があるため転職エージェントのサポートを受け、入念な対策を練ることが重要です。
Career Treeには過去に日本政策投資銀行に転職を成功された方の実例データがあり、ご登録いただければ全てのデータが閲覧可能となります。
面接の傾向や適性試験の内容、どのようなキャリアの方が転職に成功されたのかなど、
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まとめ
日本政策投資銀行について、様々な情報をご紹介させていただきました。
日本政策投資銀行は、2020年3月現在、1,159名の社員のうち20.22%が中途採用者と公表しており、積極的に中途採用を行っているのが分かります。
しかし、企業としての利益だけでなく、国の政策金融機関として、社会全体の公益も考える必要がある日本政策投資銀行は、知識・経験・スキルいずれも高いレベルが求められるため、転職は簡単ではありません。
先にご紹介したように転職エージェントに登録し、転職のプロのアドバイスを受けるのが転職の成功率を高めることに繋がるでしょう。
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