スマートフォンの「三大キャリア」のひとつとして圧倒的な知名度を誇るNTTドコモ。知名度の高い大企業であり、転職先としても人気の企業のひとつです。
この記事では、NTTドコモの年収や待遇、社風や特徴について解説します。併せて、NTTドコモへの転職に関する情報についても紹介します。
NTTドコモの平均年収
まず、NTTドコモの平均年収をまとめます。2020年度3月期の有価証券報告書によると、NTTドコモの平均年収は「870万円」です。
NTTドコモの年収は、国内平均や同業他社と比較しても非常に高いと言えます。具体的に、国税庁の最新データを見てみると、日本における正規雇用の人の平均年収は2020年度で「503万円」となっています。また、転職サイト「doda」のデータによると、2020年度のIT・通信業界の平均年収は「444万円」です。これらのことから、NTTドコモの平均年収は、国内平均年収よりも370万円程高く、IT・通信メーカーの業界平均よりも400万円以上も高いことがわかります。
1000万も可能?NTTドコモの職種・役職・年代別の平均年収
次に、NTTドコモの年収を職種・役職・年代・学歴ごとにまとめます。なお、ここで紹介する各種平均年収は、NTTドコモへの実際の勤務経験のある人の口コミが掲載されるサイト「OpenWork」の情報を基にしています。
職種別の平均年収
まずは職種別の年収についてです。OpenWorkおよび採用HPによると、NTTドコモの職種は大きく以下に分かれます
■ 事務系
■ 技術系
各職種の平均年収は、以下の通りとなっています。
職種 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
事務系 | 620〜720万円程度 | ||||
技術系 | 680〜780万円程度 |
NTTドコモでは、技術系職種の平均年収の方が高い傾向にあることがわかります。
主査から上がる?役職別の年収
NTTドコモでは、役職別により、平均年収が以下のように異なります。
役職 | 年収目安 | ||||
---|---|---|---|---|---|
一般2 | 〜450万円 | ||||
一般1 | 450〜700万円 | ||||
主査 | 700〜900万円 | ||||
担当課長(組合員) | 900〜1,200万円 | ||||
担当課長(管理職) | 1,200〜1,300万円 | ||||
担当部長 | 1,300〜1,500万円 | ||||
部長〜 | 1,600万円〜 |
総合職で入社した場合は、基本的に「一般2」からスタートします。その後は年功序列と実力により昇給していき、等級が上がるに連れて平均年収も上昇するようです。
年代別の平均年収
次は年代別の年収についてです。ここでは、OpenWorkに投稿された勤続年数に応じた年収の例を見てみます。なお、ここでは新卒入社の人の口コミを取り上げています。
勤続年数 | 年収目安 | ||||
---|---|---|---|---|---|
勤続3年未満 | 営業:450万円 営業:350万円 SE:480万円 |
||||
勤続3〜5年 | 営業:500万円 技術:720万円 技術:580万円 |
||||
勤続5〜10年 | 事業計画:750万円 営業:780万円 技術:850万円 |
||||
勤続10年以上 | 企画:860万円 営業:830万円 技術:920万円 |
職種によって年収差はややあるものの、NTTドコモの年収は、年功序列で上昇する傾向があることがわかります。
今後は年収が下がる?NTTドコモの年収の推移について
平均年収870万円と収入が高いNTTドコモですが、今後の年収はどのように推移するのでしょうか。
過去5年の年収の推移を、有価証券報告書を基にまとめました。
年度 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2016年 | 864万円 | ||||
2017年 | 873万円 | ||||
2018年 | 873万円 | ||||
2019年 | 872万円 | ||||
2020年 | 870万円 |
NTTドコモの過去5年間の平均年収の推移は上記の通りです。
2017年に前年を上回って以降、現状維持、または前年を下回っているのが上記の表からわかります。
しかし、下回ると言っても前年を1~2万円下回るほどで、大きく変動はありません。
業績は安定しているため、今後のNTTドコモの平均年収が大きく下がることは考えにくいでしょう。
NTTドコモの学歴別の初任給
次は、最終学歴による初任給の違いを紹介します。2020年度の実績によると、NTTドコモの初任給は学歴別に以下のような違いがあります。
最終学歴 | 初任給 | ||||
---|---|---|---|---|---|
短大・専門卒 | 192,510円 | ||||
高専卒 | 195,060円 | ||||
大学卒 | 219,000円 | ||||
修士了 | 241,060円 | ||||
博士了 | 291,100円 |
NTTドコモでは、最終学歴が高ければ高いほど、初任給も高いことがわかります。
NTTドコモと競合他社との平均年収比較
ここでは、NTTドコモの競合他社にあたるソフトバンク、KDDIとの平均年収を比較してみましょう。なお、平均年収は各社の2020年度の有価証券報告書を参考にしています。
企業名 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
NTTドコモ | 867万円 | ||||
ソフトバンク | 782万円 | ||||
KDDI | 930万円 |
「3大キャリア」の中で比較すると、NTTドコモの平均年収は2番目に位置することがわかります。ただし、3社いずれの企業の年収も高額であることに変わりはありません。
ソフトバンクの年収について詳しく知りたい方はソフトバンクの年収はいくら?休暇や福利厚生、社風や転職についても解説!をご覧ください。
NTTドコモで年収3,000万円も可能?
NTTドコモで、年収3,000万円が可能との情報があるようですが、実際はどうなのでしょうか。
シニアプロフェッショナル制度が導入された
2019年4月の決算説明会で公表された新制度であるシニアプロフェッショナル制度は、突出した高い専門性を有する人材や成長領域をリードする人材を市場価値に見合った報酬で雇用する制度です。
現在、スマートライフ領域、R&D分野のAI、デジタルマーケティングといった職種がこの制度の対象です。
2020年4月現在、6名がシニアプロフェッショナルと認定され、年収は最高で3,000万円とNTTドコモの平均年収の3倍以上の報酬が支払われています。
現代では、終身雇用という雇用形態も少なくなり、条件の良い企業へ転職するケースが増えています。
このため、シニアプロフェッショナル制度は、優秀な人材を市場価値に合う高い報酬を支払うことで確保し、今後もNTTドコモが業界をリードし続ける上で有効な制度と言えるでしょう。
NTTドコモの社風
ここでは、NTTドコモの社風についてまとめます。
公式HPの「人事担当メッセージ」を参照すると、NTTドコモについて、「何でも一緒に、オープンにやる社風」と記載されています。具体的には、プロジェクト単位で部門間の垣根を超えてチームが組まれ、業務を進めていく体制が取られているようです。これは、複数の部門をまたぐプロジェクトを立ち上げることで、社員同士が協力し成長していくことを目的としているとのことです。
OpenWorkの口コミにも「役割が会社全体で細分化され部門をまたいで広がっている分、1つのサービスを立ち上げるにしても全ての部門が協力して進めていく体制が確立されている」という声が寄せられていました。また、「自分の担当範囲内であれば広めの裁量権が与えられる」「本社は風通しがよく、上下関係なく物を言える」といった口コミもあり、オープンな社風であることがわかります。
一方で、元々はNTTが国営企業だったことから「官僚的な組織の名残が残っている」「大企業であるため意思決定スピードは遅い」という意見も見受けられました。
NTTドコモの待遇や休暇制度について
続いてはNTTドコモの待遇および休暇制度について見ていきます。
待遇 | 昇給年1回、賞与年2回、交通費全額支給、各種社会保険完備、諸手当(住宅、扶養、他)、財形貯蓄制度、共済/各種貸付制度、その他福利厚生施設 | ||||
休暇制度 | 完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始・夏季休暇、年次有給休暇20日(採用月により異なる)、特別休暇(慶弔ほか)、育児休暇・介護休暇制度など |
昇給制度については「成果主義を導入しているが、最高評価と最低評価の差額は10〜20万円で大きな差はつかない」という声が見られました。
また時間外勤務については「サービス残業はなく、早朝出勤に対しても時間外勤務が適用される」という意見がありました。有給も比較的取得しやすいようで「1時間単位での申請も可能」「前日や当日の有給も申請可能」と、好意的に評価する意見が多くありました。
NTTドコモに転職する上で知っておくべきこと
次は、NTTドコモに転職を希望する人が知っておきたい情報について紹介していきます。
NTTドコモへの転職難易度
NTTドコモの転職難易度は、難しいと言えるでしょう。その理由は、中途者の募集は行っているものの、募集ポジション数が少なく、倍率が高いと予想されること、また中途者には実務経験や高い能力が求められるためです。
具体的に、NTTドコモでの中途を募集しているサイト「Recruit Agent」を見てみると、2021年4月時点においてNTTドコモで募集されているポジション数は、8つのみです。
応募資格について見てみましょう。2021年4月時点で募集されている「アカウントセールス」の応募要項には、以下の条件が記載されています。
【必須】以下いずれかのご経験をお持ちの方
■ ITソリューション関連の営業経験
■ システムエンジニア、プリセールスなど営業以外のIT職種経験
技術職の例も見てみましょう。2021年4月時点で募集されている「AIスペシャリスト」の応募要項には、以下が記載されています。
【必須】以下いずれかのご経験・スキルをお持ちの方
■ AI/機械学習・深層学習等を用いたデータ分析・解析に関する専門性・経験
■ 音声処理または自然言語処理に関する専門性・経験 ・Python等のプログラミングスキル
これらの応募資格を見ると、NTTドコモの中途採用では、当該業務での勤務経験が必須であることがわかります。
一方で、NTTドコモの中途採用では、企業側が応募者に対して「経験・希望に応じてポストを提案する」という仕組みも取られています。応募要項にも「詳細な求人内容(ポスト)は、ご経験やご希望を伺いご提案いたします」と明記されており、能力や希望により、適したポジションがあれば、柔軟に対応してくれることも予想されます。
しかし、やはり実務経験や能力が必要なことには変わりはないでしょう。これらの状況を総括すると、NTTドコモへの転職は難しいと言えるでしょう。
NTTドコモが求める人材像
ここでは、NTTドコモの求める人物像についてまとめます。NTTドコモの公式採用HPの「当社の求める人物像」というページには、以下の4つの項目が掲げられています。
■ 自ら考え、行動ができる人
■ チャレンジ精神旺盛な人(飽くなき好奇心)
■ チームで働く力(マネジメント力・業務推進力・対人力)
■ 健康で明るく、ルールを守ることができる人
また、NTTドコモの人事担当者へのインタビュー記事を見てみると、「学生の何を見ていますか?」という質問に対して「挑戦心と行動力を兼ね備えている人材」と回答されています。
具体的には、今後、NTTドコモが主力の通信事業以外にも様々な事業を展開していく中で、「新しい事業をやってみたい」という意欲を持ち、最後までやり抜くような力を持った人物が求められているとのことです。変化の多い環境下でも、変化することに楽しさを感じ、自分で考えて行動する人材が必要とされるようです。
NTTドコモに転職する際の面接では、前職の経験などを踏まえて、自身がこれらの条件に合致する人物だということを、話すことが有効でしょう。
NTTドコモと同業界の転職実例をご紹介!
ここでは、「NTTドコモと競合他社との平均年収の比較」で紹介した、ソフトバンクの転職実例をご紹介します。
ソフトバンク 営業職から、楽天モバイル(株) 営業職への転職実例
【転職者情報】
■学校歴:MARCH 関関同立大 ■学部:文系学部
転職元企業 | 転職先企業 | ||||
---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 楽天モバイル(株) | ||||
国内営業 | 国内営業 | ||||
エネルギー関連事業向け | 新規事業、エネルギー関連 | ||||
3年未満 | 3年未満 | ||||
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課長職 | 課長職 |
【CareerTree コメント】
楽天モバイルの営業職への転職実例です。
新規事業の立ち上げに伴い、同一の事業の経験を買われて、引き抜かれたケースです。この方の場合、年収が下がっていますが、事業立ち上げフェーズに魅力を感じて、年収を多少下げてでも転職する方はいらっしゃいます。
Career Treeで自分の転職可能性を確認しよう!
圧倒的な知名度を誇るNTTドコモは、就職先としても人気です。しかし、先述の通りNTTドコモは2021年現在では中途採用者のための募集ポジションは少なく、また当該業務における実務経験や能力が求められているため、転職の難易度は高いといえます。
NTTドコモへの転職を希望する人が初めに行うべきことは、中途採用に関する正しい最新情報を収集することでしょう。NTTドコモへの転職を成功させた人の最新実例データを見ることで、実際の採用状況が見えてくるでしょう。
NTTドコモへの転職データを見るためのツールとしては、Career Treeがおすすめです。Career Treeでは、NTTドコモをはじめとして、KDDIやソフトバンクなどの、他社の通信業界への転職実例も見ることができます。他社の転職事情を知り、違いを理解することで、スムーズに各社への転職活動を進められるでしょう。
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まとめ
ここまで、NTTドコモの年収や評価制度、転職の情報について紹介しました。
高い知名度と安定した年収で、転職先としても人気企業のNTTドコモです。中途者の募集ポジション数は少なく、かつ応募には当該業務への実務経験が必要とされるため、転職を成功させるのは簡単ではないかもしれません。
NTTドコモへの転職を成功させるためには、具体的な実例情報を知ることが、大切です。また、Career Treeを利用することで、最新のNTTドコモへの転職に関するデータを手軽に収集することが可能です。また、他の通信業界への転職情報も同時に閲覧できるため、他社と比較検討しながら、効率的に転職活動を進められるでしょう。
Career Treeを参考にしながら、NTTドコモへの転職を検討してみてください。