2018年に旭硝子株式会社からAGC株式会社に社名変更したAGCは、日本板硝子と並ぶ世界最大手のガラスメーカーです。
名称に旭があるため、旭化成のグループ企業と思われがちですが資本関係はなく完全に別会社です。
建築・自動車向けガラスの製造・販売だけでなく電子部材や化学関連素材の製品も取り扱っており、近年では海外の医薬品会社の買収を行うなど今後、幅広い事業を展開していくと予想されています。
今回は、AGCに転職を検討されている方に年収や社風。様々な情報をご紹介していきます。
AGC(旭硝子)の平均年収
有価証券報告書でAGCの平均年収を調べると、AGCの平均年収は808万円。平均勤続年数は18.0年でした。
国税庁の民間給与実態統計調査によると、日本人の平均年収は436万円と公表されておりAGCの平均年収は1.85倍に相当するため、AGCの平均年収808万円と高水準と言えます。
平均勤続年数18.0年は国内平均勤続年数12.4年の1.45倍と年収と勤続年数。どちらも国内平均を上回っており両方の数字を見る限りAGCは高水準の報酬と長く勤めやすい企業と言えるでしょう。
ボーナスは年に2回。
7月と12月に支給され、支給額は業績に連動する業績連動型ですが2回で給与の4か月分程度が支給されることがほとんどで相当、業績が悪化しない限り減額などはないようです。
顕著な業績を残した場合、ボーナス額にある程度の加算がされるようです。
また、給与は多くの日本企業同様、年功序列式になっており、長く勤めるほど給与が上がっていきます。
AGC(旭硝子)の職種・役職・年代別の平均年収
AGCの平均年収を項目ごとに分けて算出しました。
dodaやOpenWork、その他複数のサイトを基に算出しているため参考としてお考え下さい。
職種別の平均年収
AGCの職種ごとの平均年収を調べました。
職種 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
総合職 | 約1.060万円 | ||||
一般職 | 約740万円 | ||||
技術職 | 約720万円 |
総合職の平均年収が突出していますが、一般職・技術職の平均年収も700万円台と十分な収入と言えるでしょう。
役職別の平均年収
役職ごとの平均年収は下記の表のようになります。
役職 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
係長 | 約900万円 | ||||
課長 | 約1,190万円 | ||||
部長 | 約1,420万円 |
平均年収が800万円台と十分に高水準ですが役職がつくと、さらに年収が上がるようです。
年代別の平均年収
次に年代別の平均年収をdoda調べの年代別平均年収と比較しました。
年代 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
20代 | 約470万円 | ||||
30代 | 約630万円 | ||||
40代 | 約800万円 | ||||
50代 | 約950万円 |
いずれの年代でもAGCの年収は100万円以上、上回っています。
20代でも単純に12分割すると月額で10万円以上の差があるため経済的に余裕を持った生活ができるでしょう。
素材メーカーの年収・特徴比較
AGCはガラス以外にも様々な素材を取り扱う素材メーカーでもあります。
素材メーカーとしてのAGCの競合他社になる日本製鉄、東レと比較しました。
素材メーカーの年収比較
AGCと競合他社を表にまとめました。
企業名 | 設立年度 | 売上高 | 経常利益率 | 平均年収 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AGC | 1907年 | 1兆518億円 | 4.6% | 約808万円 | ||||||||||
日本製鉄 | 1950年 | 5兆9,215億円 | -7.1% | 約612万円 | ||||||||||
東レ | 1926年 | 2兆2,146億円 | -4.6% | 約720万円 |
売上高は日本製鉄が群を抜いています。
AGCは売上高では日本製鉄・東レに大きく差をつけられていますが平均年収・勤続年数ではAGCが2社を上回っています。
3社とも国内平均年収を上回る年収ですが、その中でもAGCは社員に収益を還元する企業と言えるかもしれません。
素材メーカーの特徴比較
売上高や年収以外にそれぞれの企業の特徴はどのようなものがあるでしょうか。
AGC(旭硝子)
社名にあるようにAGCはガラス事業を主軸としており、日本の大手自動車メーカーのほぼ全てがAGCのガラスを採用しており、海外の自動車メーカーでもAGCの製品が採用されています。
最初に海外の医薬品メーカーを買収したのをご紹介したようにガラス事業以外の事業も展開しており化学品事業であるフッ素関連事業は売上の約30%を占めるなど経営の多角化を行っています。
日本製鉄(新日鐵重金)
粗鋼生産量で日本製鉄は世界第3位についています。
生産量では海外メーカーに後れをとっているものの世界のトップイノベーターを選出する研究開発・知的財産創造活動を基にしたアワードで鉄鋼業として初めて7年連続受賞をするなど日本企業の特徴とも言える品質面で競合他社との差別化を図っています。
東レ
東レの売上の40%近くを繊維事業が占めていて、その中でも近年では炭素繊維に注力しています。
炭素繊維は鉄の10倍の強度を持ちながら重量は軽いため、自動車や航空機に用いられ軽量化だけでなく燃費向上にも一役、買っています。
そのため炭素繊維は夢の素材とも言われ、宇宙線や紫外線など地上よりも過酷な環境になる宇宙空間でも有効な素材であるため、東レの繊維事業は今後も主力事業として期待されています。
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AGC(旭硝子)の福利厚生制度と休暇
AGCの福利厚生と休暇制度をまとめてみました。
福利厚生制度 | 内容 | ||||
---|---|---|---|---|---|
休暇 | 完全週休二日制、祝日、有給休暇、忌引き休暇、年間休日123日(2019年実績) | ||||
育児・介護 | 育児休業、育児時短勤務、在宅勤務制度 | ||||
財産形成・共済制度 | 財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄、教育ローン、持ち株制度、企業年金基金 | ||||
施設利用 | スポーツ施設、リゾート施設、宿泊施設、カフェテリアプラン | ||||
諸手当 | 時間外手当、リフレッシュ手当(年間最大12万円)、住宅手当 | ||||
各種保険 | 健康保険、厚生年金、労災保険、雇用保険 | ||||
その他 | 独身寮、社宅、外部借上社宅制度(希望者のみ・家賃補助あり) |
住宅と年金に関する補助や制度が非常に充実しています。
特に外部借上社宅制度は条件によって家賃の半額相当の補助を受けることができます。
また、年金に関しての制度は定年退職後の社員の生活を安定させる非常に手厚いものと言えます。
AGC(旭硝子)の社風・労働環境
AGCの年収の高さ、福利厚生が充実しているのはご紹介しましたが社風や労働環境などはどのようになっているでしょうか。
年功序列で保守的な社風
口コミなどを調べると、AGCは多くの大手企業と同じく年功序列で保守的な社風のようです。
上司を役職ではなく、さん付けで呼ぶなど大企業にしては風通しが良い反面、仕事の進め方に関しては上意下達の年功序列で進められることが多いようです。
創業精神に“易きになじまず難きにつけ”という言葉があり若手社員にチャレンジする機会が与えられていますが、会社としてリスクを嫌う傾向があるため確実性が高くない場合は受け入れてもらえないなど保守的な傾向が強いようです。
世界最大手のガラスメーカー
ご紹介しましたがAGCは世界的にも大手となるガラスメーカーです。
世界シェアトップの製品が6つあり、中でも自動車用ガラスは現在、世界中を走る新車の4台に1台はAGCのガラスが使われている計算になり私たちの生活にAGCの製品が浸透していると言えます。
この6つのシェアトップの製品のうち、2つはフッ素樹脂製品でAGCがガラス事業だけでなく、その他の化学製品事業でも大手として業績を伸ばしており、今後も業績拡大が期待できるでしょう。
ワークライフバランスが取りやすい
AGCの平均残業時間は30~40時間程度とされています。
フレックス勤務制度もあるため、勤務時間を調整することで柔軟な働き方ができるようです。
残業時間や仕事量などは部署によって変動があるようですが、どの部署も土日祝は休むことができ、GWや夏季休暇・年末年始の休みも確保されていて、有給休暇を取得しやすい環境も整っているので、小さなお子さんがいらっしゃる場合などプライベートを優先した働き方がしやすく、ワークライフバランスは優れていると多くの現役・OBの方が言われています。
AGC(旭硝子)に転職するには?
AGCの転職難易度、中途採用試験はどのようになっているでしょうか。
転職難易度は高い
AGCの転職難易度は高いのは間違いありません。
世界でトップシェアを誇る企業で最先端の技術に携わることができるため、その分野で働きたい方にとってAGCは最高の会社と言えるからです。
仕事内容だけでなく平均年収の高さなど待遇面の良さもあることから難易度・倍率ともに高いと考えられ、AGCへの転職を成功させるためには転職エージェントに相談するなど入念な対策が必須でしょう。
新卒採用が多い
AGCの新卒採用者数を見ると2017~2019年の3年間の平均で毎年約95人を採用しています。
採用者の出身大学を見ると、東大・京大・慶応義塾・早稲田など有名校が多く見られます。
これは学閥などでなく求める人材を絞った結果、これらの有名校出身者が残ったと考えられます。
新卒採用者の3年後離職率は3.1%と離職率も低く、中途採用者数は新卒採用と比べ多くは無いようです。
旭硝子の面接では何を聞かれる?
AGCの中途採用プロセスは書類選考後、面接が3回ほどあるとされています。
1、2回目の面接は部長級と人事担当者。最後の3回目は役員面接になるようです。
面接で訊かれる内容として、
■ なぜAGCなのか
■ 入社したら何をしたいのか
■ 長所を教えてください
このような他の企業でも訊かれるような一般的な質問が多いようですが、2回目の面接でプレゼンを求められたとの口コミがあるため、面接の詳細について調べることが必要です。
しかし、面接内容や筆記試験の有無など一般には公開されてない情報が多いため、こちらも転職エージェントの力を借りて詳細について調べ対策を講じるのが効率的でしょう。
旭硝子が求める人材像
AGCには創業の精神に
“ 易きになじまず難きにつく ”
という言葉があり公式サイトの新卒採用サイトにもこの言葉が掲げられています。
このほかに
■ 情熱
■ チャレンジ
■ 革新
■ インテグリティ
■ 巻き込む力
という言葉もあり、誰かの指示を待つのではなく、責任を持って自ら考え行動し、何事にも挑戦する意欲を持てる人物こそAGCが求めている人材と考えられます。
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AGCはガラス事業だけでなく、化学品事業の一部でも世界でトップシェアを誇る企業です。
平均年収の高さ、福利厚生の充実度など定年まで勤めるには申し分ない企業でしょう。
しかし、採用面では新卒採用を重視する傾向があるため中途採用は難易度・倍率ともに高く狭き門であるため、内定を得るのは簡単ではありません。
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まとめ
この記事ではAGCの様々な情報をご紹介させていただきました。
AGCは、メイン事業のガラス事業だけでなく化学製品事業でも世界シェアトップのものが複数あり、これからも業績向上が期待できる将来性の高い企業です。
平均勤続年数が18.0年と国内企業の平均勤続年数を上回っており、長く勤めるのに適しているだけでなく、社員の26%が入社10年以内に海外赴任を経験しているなどグローバルな働き方をしたい方にも理想的な企業と言えるでしょう。
AGCは就職・転職どちらでも人気が高い企業なので転職は容易ではありません。
求める人材の質の高さは新卒採用者の出身校からも分かりますし中途採用者にはさらに経験・スキルも求められるでしょう。
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