日本電産(通称:ニデック)は、京都府に本社を置く世界最大手の総合モーターメーカーです。
国内のみならず国外にも多数の拠点をもち、グローバルに展開しています。
本記事では、日本電産の年収や福利厚生、社風などの様々な情報をご紹介。
日本電産への転職をお考えの方に向けた情報をお届けします。
日本電産の平均年収
有価証券報告書によると、日本電産の平均年収は588万円。平均勤続年数は10.3年でした。
国税庁の令和元年民間給与実態統計調査によれば、国内の平均年収は436万円です。日本電産の平均年収はそれを上回る水準となっています。
一方で、直近の4年間で日本電産の平均年収は減少を続けています。これは、働き方改革の影響で残業が大幅に減ったことが関係しているようです。
また、日本電産では2020年度より評価制度が絶対評価から相対評価に変更されました。
これにより、以前と比べ評価が厳しくなったと感じる社員も多く、不透明な評価体制に不満の声も見られました。
日本電産の職種・役職・年代別の平均年収
次に、日本電産の年収を職種・役職・年代別に比較して分析します。
ここでは、「OpenWork」を参考に各項目の平均年収を推定していきます。
職種別の平均年収
日本電産の職種は、技術系と事務系の大きく2つに分かれており、その中でさらに細かく職務が分類されています。
主な職種別の平均年収は以下の通りです。
部門 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
開発 | 619万円 | ||||
生産技術 | 554万円 | ||||
営業 | 465万円 |
ここでは、職種によって平均年収に若干のばらつきが見られますが、これは役職者のサンプルの人数なども大きく関係しています。
日本電産の賃金制度は技術系・事務系共通であり、初任給も共通で設定されているため、基本的には職種による差が生じにくくなっています。
役職別の平均年収
次に、役職別の平均年収を見ていきましょう。日本電産の役職別平均年収は以下の通りです。
役職 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
一般社員 | 462万円 | ||||
主任 | 556万円 | ||||
係長 | 575万円 | ||||
課長 | 767万円 | ||||
部長 | 1,080万円 |
OpenWorkに寄せられた口コミによると、年次を重ねることよりも役職に就くことが昇給にとって重要な要素であるとわかりました。
役職が上がり、部下をもつ管理職になると高給もあり得ます。
しかし、課長代理級以上への昇格にはTOEICや昇格試験の突破が必須条件となっており、難易度が高いことも事実のようです。
年代別の平均年収
年代別の平均年収を、下記の表にまとめています。
年代 | 日本電産の平均年収 | doda調べ業界平均年収 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
20代 | ~365万円 | 313~439万円 | ||||||
30代 | 492~585万円 | 425~595万円 | ||||||
40代 | 656~727万円 | 427~798万円 | ||||||
50代 | 822万円~ | 517~892万円 |
また、doda調べのメーカー(機械・電気)業界・大手企業社員の年収統計情報と比較すると、同水準か少し低い水準であることがわかります。
このことに関しては一部不満の声も見受けられました。
学歴別の平均年収
年代別の平均年収を、下記の表にまとめています。
学歴別に細かく分類されており、初任給に差が生じます。博士了と高専・短大・専門卒では、大きな差があることがわかります。
学歴 | 初任給 | ||||
---|---|---|---|---|---|
博士修了 | 月給25万3,500円 | ||||
修士修了 | 月給23万6,500円 | ||||
学士卒 | 月給21万2,500円 | ||||
高専・短大・専門卒 | 月給18万7,500円 |
学歴別に細かく分類されており、初任給に差が生じています。博士修了と高専・短大・専門卒では、大きな差があることがわかります。
日本電産と競合メーカーとの平均年収比較
次に、日本電産の年収を競合メーカーと比較して見ていきます。
今回は、同業大手の京セラ、村田製作所、オムロンと比較を行いました。
ここでは各社の有価証券報告書のデータを使用しています。
社名 | 平均年収 | ||||
---|---|---|---|---|---|
日本電産 | 588万円 | ||||
京セラ | 684万円 | ||||
村田製作所 | 731万円 | ||||
オムロン | 804万円 |
日本電産の平均年収は、他の競合メーカーと比較すると低い水準であることがわかります。
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日本電産の福利厚生と休暇制度
ここでは、日本電産の福利厚生と休暇制度についてご紹介します。
休日 | 会社暦週休2日制(年間休日124日※年休一斉取得3日含む)、5月・8月・年末年始連続休暇、年次有給休暇、慶弔休暇、特別休暇、育児休暇 ほか | ||||
諸手当 | 時間外手当、通勤手当、勤務地手当、単身赴任手当、許可外保育料補助手当 | ||||
教育制度 | モーターカレッジ(技術研修)、階層別研修、各種語学研修、通信教育、一人前認定3ヵ年育成プログラム | ||||
保険・資産形成支援制度 | 各種社会保険各種社会保険(雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険)、確定拠出年金、確定給付企業年金、社員持株制度、財形貯蓄制度 | ||||
住宅関係 | 独身寮(条件あり)、借り上げ社宅制度 | ||||
その他 | 時差勤務制度、在宅勤務制度(一定以上の等級の全社員対象)、福利厚生アウトソーシングサービスの利用 |
日本電産には上記のような各種制度が充実しています。
特に、借り上げ社宅制度では30歳まで1.5万円で借り上げ社宅に入居できるため、若手のうちは可処分所得が高い傾向があるようです。
比較的賃料が高い東京や大阪勤務の社員にとっては特に魅力的な制度と言えるでしょう。
また、日本電産は国外にも多くの拠点を有しており、海外勤務もあり得ます。
海外勤務中は手当がつき、年収が大幅に上がるようです。
一方口コミでは、全体的に諸手当が少ないという声も挙がっていました。
これは、各手当の支給対象に細かい条件が設けられていることが原因として挙げられます。
例えば、勤務地手当であれば「30~40歳のみ支給対象」「未婚・既婚では支給額が異なる」「35歳以降は支給額が半額になる」など、実際に支給される社員や金額は限られているようです。
日本電産は激務?激務度や社風について
日本電産の社風
日本電産の社風は、創業当時からのトップダウン体制が強く根づいています。創業者である現会長・永守 重信氏の影響力がきわめて大きいことも、日本電産の特徴的なカルチャーです。
そんな圧倒的存在である創業者のもと、日本電産の創業当初から掲げられている三大精神は以下の通りです。
-
- 情熱・熱意・執念
- 知的ハードワーキング
- すぐやる、必ずやる、出来るまでやる
目的の達成、つまりは会社の利益達成のためにはできるまでやるという強い精神力が求められることがわかります。
メーカーというと専門的知識や技術が重要となるイメージが強いですが、日本電産では専門技術はもちろん、社員全員の熱い思いも大切にしています。
日本電産の激務度は高い?
日本電産の激務度は高く、会社の利益を貪欲に追求する姿勢が求められます。
慢性的な人手不足が存在しており、全体的に余裕がなく疲弊した雰囲気が感じられるという口コミもありました。
働き方改革により残業は劇的に減少しましたが、高いパフォーマンスが求められることに変わりはありません。
また、急速な成長を遂げた企業であるため、大企業でありながらも他の同規模企業に比べて制度が整っていない部分が目立つとの声もありました。
一方で、手を挙げれば若手のうちから裁量の大きな仕事を任せてもらえることもあるようです。
そのため、意欲次第でどんどんチャレンジできる環境がフィットする方には向いているでしょう。
日本電産に転職するには?
日本電産への転職難易度は低い?
日本電産では、業績好調による増員や退職者の補充のため中途採用が通年で行われており、採用数は非常に多いです。
しかし一方で、求められている人材の質(経験や専門性)はかなり高いことも事実です。
これらのことを総合すると、日本電産の転職難易度は「やや高め」であると言えるでしょう。
日本電産に転職するため必要なスキルとは?
日本電産の中途採用では、メーカー出身者や金融出身者、プロ経営者などのハイスキル人材が広く採用されています。
また、海外赴任があることやTOEICの点数を昇格の条件にしていることなどからもわかるように、高い英語力も求められます。
さらに、転勤や異動を苦としない総合職マインドを持っているかどうかという点も重視されます。
海外拠点への出向もあるため、家族とともに転勤することや単身赴任も視野に入れておいた方が良いでしょう。
日本電産の採用フローは?
日本電産では、通年で中途採用を行っています。応募方法は3種類あり、以下の通りです。
-
- エントリー
- キャリア登録
- カムバック制度
エントリーはすぐに日本電産に転職したい方向けであり、各職種の応募フォームから応募します。
キャリア登録は「日本電産への転職を考えているが、すぐには転職できない」などの事情で情報収集をしたいと考えている方向けです。登録することで、採用イベントなどの情報を得ることができます。
カムバック制度は日本電産の元社員限定ルートであり、配偶者の転勤や育児・家族介護などやむを得ない状況で日本電産を退職した方向けの制度です。
ご自身の状況に応じて、これら3つのルートから適切に応募することが必要となります。選考が進むほど通過難易度は上がります。
日本電産の求める人材像
日本電産では求める人物像を以下のように掲げています。
-
- 「三大精神」に共感し、それを体現出来る人財
- グローバルな視点を持って世界の変化を的確に捉え、自ら変革を起こしていきたいという気概を持った人財
- 職務や役割に応じた高度な専門性を身に付け、それらを発信出来る人財
最も重視されるのは、会社全体に強く根付いている三大精神への共感です。
さらにその精神を体現できるかどうかという部分も必要になるため、日本電産の三大精神に通じるような自身の原体験があると良いでしょう。
次に、グローバルな視点が求められるのは世界各国に拠点をもつ企業ならではのポイントです。
日本国内だけでなく国外の様々な動きも把握しておく必要があります。
さらに、製造メーカーである日本電産の業務には、高度な専門性が伴います。
そのような専門性を身に付け、プロフェッショナルな仕事をしたいという意欲も表現できると良いでしょう。
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まとめ
ここまで、日本電産の年収や福利厚生など、転職活動にあたって押さえておくべき情報を紹介しました。
高い知名度と年収で、転職先としても高い人気を誇る日本電産ですが、転職希望者には極めて高い業界知識が求められ、また採用も不定期なため、転職難易度が非常に高いことも事実です。
日本電産で働きたい方は、まずは転職の正しい情報を知ることが重要です。
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