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転職面接の逆質問例:賃金の不満27.6%を防ぐ確認【2025年】

更新 2026年10月25日|執筆 転職ツリー編集部

結論

転職後に「不満」が最も多いのは賃金で27.6%、次いで労働時間・休日・休暇の17.7%(厚生労働省「転職者実態調査」2025年)。逆質問は、この2つと仕事内容を入社前に確かめる場に使い、有価証券報告書や募集要項で公開されている数字を起点に組む。

想定読者28〜40歳・年収450〜800万円・1〜2回目の転職で、一次面接から最終面接の逆質問を準備している人

転職後に「不満」が最も多いのは賃金で27.6%、次いで労働時間・休日・休暇の17.7%(厚生労働省「転職者実態調査」2025年)。逆質問は、この2つと仕事内容を入社前に確かめる場に使う。有価証券報告書や募集要項で公開されている数字を起点に組むと、面接の後に答え合わせができる。

転職後の不満は賃金27.6%が最多。逆質問で確かめる優先順位(2025年)

厚生労働省「令和7年転職者実態調査」(2026年9月25日公表、2025年10月1日現在)は、転職者に現在の勤め先の満足度を項目別に聞いている。不満の割合が高い順に、賃金、労働時間・休日・休暇、福利厚生、会社の将来性と続く。

項目 満足・やや満足 不満・やや不満
賃金 49.8% 27.6%
労働時間・休日・休暇 65.6% 17.7%
福利厚生 53.2% 15.1%
会社の将来性 49.1% 13.8%
人間関係 62.1% 13.4%
仕事内容・職種 68.7% 10.9%
職業生活全体 54.7% 10.7%

出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人調査 表14(2025年)。

賃金は満足が49.8%にとどまり、不満が27.6%と2位の労働時間より約10ポイント高い。一方、仕事内容・職種は満足68.7%で、転職者が勤め先を選んだ理由の1位も「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%だった(同調査 個人調査 表13-1)。入社前に確かめきれていないのは賃金と労働時間であり、逆質問の時間はここに使う。

逆質問は「公開データで答え合わせできること」を聞く

面接官の答えを後から確かめられる質問にすると、回答と公開データのずれが判断材料になる。確かめる先は3つある。

情報源 わかること 根拠
有価証券報告書「従業員の状況」 提出会社の従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年間給与。2023年3月期以後は女性管理職比率、男性の育児休業取得率、男女の賃金差異も 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」改正(2023年1月31日公布・施行)
企業サイトの「正規雇用労働者の中途採用比率」 直近3事業年度の、正規雇用の採用者に占める中途採用者の比率 労働施策総合推進法(常時雇用301人以上の企業に公表義務、2021年4月1日施行)
募集要項 基本給や理論年収のレンジ、賞与の回数、勤務時間、休日 企業の採用ページ

有価証券報告書の平均年間給与は賞与と基準外賃金を含む値で、平均勤続年数とあわせて読むと「長く勤めた人の平均」か「中途入社が多い組織の平均」かが見える。中途採用比率の公表ページが見つからなければ、面接で中途採用の人数と定着を聞く材料になる。

賃金・評価の逆質問例:決め方の根拠を聞く

事業所が転職者の賃金決定で考慮した要素は「これまでの経験・能力・知識」が59.2%で最も多く、「年齢」35.3%、「賃金の世間相場」34.2%、「免許・資格」30.6%、「前職の賃金」27.0%と続く(厚生労働省「令和7年転職者実態調査」事業所調査 表5、複数回答)。最も重視した要素でも「経験・能力・知識」38.4%が1位、「賃金の世間相場」19.1%が2位だった(同 図2)。

この結果から、賃金の逆質問は「いくらか」ではなく「何で決まるか」を聞く形にする。

  • 「募集要項の理論年収は576万〜929万円と幅があります。入社時の提示額は、経験・能力のどの点を評価して決まりますか」(KDDIの募集要項の例。金額は応募先の数字に置き換える)
  • 「給与改定は年1回とありますが、評価の基準と、中途入社の初年度の評価の扱いを教えてください」
  • 「有価証券報告書の平均年間給与は1,051万円でした。中途入社の社員がこの水準に近づくのは、入社後どのくらいの期間が一般的ですか」

平均年間給与と募集要項のレンジに差がある会社は多い。差の理由(勤続年数、役職、賞与の比重)を面接官がどう説明するかが、賃金に不満を持つ27.6%に自分が入るかどうかの判断材料になる。

仕事内容・配属の逆質問例:採用理由から聞く

事業所が転職者を採用した理由は、専門的・技術的な仕事で「経験を活かし即戦力になるから」64.1%、「専門知識・能力があるから」51.2%、「離職者の補充のため」44.3%。管理的な仕事では即戦力が60.7%、事務的な仕事では「離職者の補充のため」が51.8%で最多だった(同調査 事業所調査 表4、3つまでの複数回答)。採用に当たって重視した事項は「人員構成の歪みの是正」48.3%、「既存事業の拡大・強化」39.5%、「組織の活性化」31.7%である(同 表3)。

求人の背景は「補充」か「拡大」に寄る。逆質問でそこを確かめる。

  • 「このポジションは増員と欠員補充のどちらですか。欠員の場合、前任の方はどのような経緯で離れましたか」
  • 「入社後3か月で任される業務と、1年後に期待される成果を具体的に教えてください」
  • 「配属先のチームの人数と、中途入社の方の割合を教えてください」

3つ目の答えは、中途採用比率や有価証券報告書の平均勤続年数と照らせる。勤め先を選んだ理由の2位は「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%で、仕事内容の確認は入社後の満足度に直結する。

労働時間・定着の逆質問例:有価証券報告書の数字から聞く

労働時間・休日・休暇に不満を持つ転職者は17.7%で賃金に次いで多い。募集要項の勤務時間と休日を読んだうえで実態を聞く。

  • 「募集要項では通常勤務9時から17時30分、完全週休2日制とあります。配属予定の部署の、直近1年の平均的な月の残業時間はどのくらいですか」
  • 「有価証券報告書の平均勤続年数は16.4年でした。中途入社の方の定着状況はどうですか」
  • 「男性の育児休業取得率が85.9%と開示されていますが、取得期間はどのくらいが多いですか」

平均勤続年数は会社によって大きく違う。2026年3月期の有価証券報告書では、KDDI(提出会社9,891名)が16.4年、ソフトバンクグループ(持株会社276名)が10.1年。2025年12月期のヒューリック(234人)は7年6ヶ月である。勤続年数が長い会社では新卒入社の社員が平均をつくり、短い会社では中途入社の比重が大きい。数字を示して聞くと答えが具体的になる。

避けたい逆質問と、聞く順番

避けたいのは、調べればわかることをそのまま聞く質問と、質問の形をとった要望である。「御社の事業内容を教えてください」「残業はありますか」は有価証券報告書と募集要項で答えが出ている。「年収はいくらもらえますか」は条件交渉で、内定後の条件提示の場で行う(年収交渉の相場)。

聞く順番は、仕事内容・配属、評価・賃金の決め方、労働時間・定着の順にする。満足度の高い仕事内容から入り、不満の多い賃金と労働時間を後半に置くと面接官が答えやすい。質問は2〜3個に絞り、1つの質問に論点は1つにする。退職理由の答え方は別記事(面接の退職理由の伝え方・例文)で整理している。

応募先が上場企業なら、面接の前に有価証券報告書の「従業員の状況」で平均年間給与と平均勤続年数を控えておく(転職ツリーの企業ページにも掲載)。面接官の答えと数字のずれが、入社後の不満を減らす判断材料になる。

出典・データの取り方

  1. 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」結果の概況:2026年9月25日公表(2025年10月1日現在)。個人調査 表14 現在の勤め先での満足度(満足・やや満足/不満・やや不満):賃金49.8%/27.6%、労働時間・休日・休暇65.6%/17.7%、福利厚生53.2%/15.1%、会社の将来性49.1%/13.8%、人間関係62.1%/13.4%、仕事内容・職種68.7%/10.9%、職業生活全体54.7%/10.7%。表13-1 現在の勤め先を選んだ理由(3つまでの複数回答):仕事の内容・職種に満足がいくから40.2%、自分の技能・能力が活かせるから38.4%、労働条件(賃金以外)がよいから23.1%、賃金が高いから18.8%
  2. 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」個人調査 3 転職について(PDF):表13-1(現在の勤め先を選んだ理由)・表14(現在の勤め先での満足度)の原表
  3. 厚生労働省「令和7年転職者実態調査」事業所調査 2 転職者の採用状況(PDF):表3 転職者の採用に当たり重視した事項(複数回答):人員構成の歪みの是正48.3%、既存事業の拡大・強化39.5%、組織の活性化31.7%。表4 転職者の採用理由(3つまでの複数回答):専門的・技術的な仕事=経験を活かし即戦力になるから64.1%・専門知識・能力があるから51.2%・離職者の補充のため44.3%、管理的な仕事=即戦力60.7%、事務的な仕事=離職者の補充のため51.8%。表5 賃金決定の際に考慮した要素(複数回答):これまでの経験・能力・知識59.2%、年齢35.3%、賃金の世間相場34.2%、免許・資格30.6%、前職の賃金27.0%。図2 最も重視した要素:これまでの経験・能力・知識38.4%、賃金の世間相場19.1%
  4. 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の一部改正(2023年1月31日):2023年1月31日公布・施行。2023年3月31日以後に終了する事業年度に係る有価証券報告書から、女性活躍推進法等に基づき公表する女性管理職比率・男性の育児休業取得率・男女の賃金の差異を「従業員の状況」に記載
  5. 厚生労働省「正規雇用労働者の中途採用比率の公表」(労働施策総合推進法):常時雇用する労働者が301人以上の企業は、直近3事業年度の正規雇用労働者の中途採用比率をおおむね年1回公表。2021年4月1日施行
  6. KDDI 有価証券報告書 第42期(2026年3月期、EDINET):提出会社9,891名・平均勤続年数16.4年・平均年間給与10,510,939円(1,051万円)。男性労働者の育児休業取得率85.9%
  7. KDDI キャリア採用 募集要項:正社員(総合職)理論年収576万円~929万円、給与改定年1回、通常勤務9:00~17:30、完全週休2日制(土日祝・年末年始)
  8. ソフトバンクグループ 有価証券報告書 第46期(2026年3月期、EDINET):提出会社(持株会社)276名・平均勤続年数10.1年・平均年間給与13,195,551円(1,320万円)
  9. ヒューリック 有価証券報告書 第96期(2025年12月期、EDINET):提出会社234人・平均勤続年数7年6ヶ月・平均年間給与22,954,867円(2,295万円)
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2026年10月25日初出