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年収交渉の相場:転職で1割以上の上げ幅は28.2%【2025年】

更新 2026年10月20日|執筆 転職ツリー編集部

結論

転職で賃金が1割以上増えた人は28.2%、1割未満の増加は12.6%(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、2025年)。増えた人40.8%のうち約7割が1割以上の上げ幅を得ており、年収交渉で提示する上げ幅は「現年収の1割」を基準線に置くと統計の実態に合う。

想定読者28〜45歳・年収450〜800万円・初めての転職で希望年収をいくらと伝えるか迷っている人

転職で賃金が1割以上増えた人は28.2%、1割未満の増加は12.6%(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、2025年)。増えた人40.8%のうち約7割が1割以上の上げ幅を得ており、年収交渉で提示する上げ幅は「現年収の1割」を基準線に置くと統計の実態に合う。一方で転職入職者の31.0%は賃金が減少しており、上げ幅の交渉は「上がる前提」ではなく「下がらない条件の確認」から始まる。

転職の上げ幅は二極化している:1割以上の増加28.2%、1割未満の増加12.6%(2025年)

厚生労働省「令和7年雇用動向調査」(2025年)は、転職入職者の賃金が前職と比べてどう変わったかを「1割以上」「1割未満」の区分で集計している。

前職と比べた賃金の変動 2025年(令和7年) 2024年(令和6年) 差(ポイント)
増加 40.8% 40.5% +0.3
 うち1割以上の増加 28.2% 29.4% −1.2
 うち1割未満の増加 12.6% 11.2% +1.4
変わらない 25.5% 28.4% −2.9
減少 31.0% 29.4% +1.6
 うち1割未満の減少 9.2% 7.6% +1.6
 うち1割以上の減少 21.9% 21.7% +0.2

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」転職入職者の賃金変動状況。計には賃金変動状況不詳を含むため、増加・変わらない・減少の合計は100%にならない。

この表から言えることは一つ。転職で賃金が動くときは「少し動く」より「大きく動く」。1割未満の小幅な増加は12.6%にとどまり、増えた人の約7割(28.2%÷40.8%)は1割以上の増加だった。減少側も同じで、減った人31.0%のうち21.9%は1割以上の減少である。

したがって「3%だけ上げてほしい」と小幅を狙う交渉は、統計上は少数派の結果を狙うことになる。現実の上げ幅は、職務や役割が変わって1割以上上がるか、ほぼ変わらないか、下がるか、の三択に近い。

年齢別:1割以上の上げ幅を得た人は20代前半で44.2%、50代前半で18.4%

同じ調査の年齢階級別の数字を見ると、上げ幅の交渉余地は年齢で大きく変わる(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、2025年)。

年齢階級 増加 うち1割以上の増加 変わらない 減少 うち1割以上の減少
20〜24歳 55.2% 44.2% 19.9% 17.5% 10.2%
25〜29歳 49.8% 34.2% 25.0% 23.9% 16.5%
30〜34歳 48.6% 32.8% 20.8% 29.0% 19.0%
35〜39歳 43.5% 32.8% 28.1% 23.9% 16.1%
40〜44歳 44.9% 29.9% 24.6% 27.4% 17.6%
45〜49歳 41.1% 30.0% 28.0% 30.1% 16.1%
50〜54歳 29.4% 18.4% 26.7% 42.0% 28.3%
55〜59歳 25.5% 16.8% 33.0% 38.9% 30.6%

出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」転職入職者の賃金変動状況(年齢階級別)。

20代は1割以上の増加が34〜44%で、3人に1人以上が大きな上げ幅を得ている。30代は32.8%、40代は約30%で、1割以上の減少も16〜19%あり、上げ幅の交渉と下げ幅の防止が同時に必要になる年代だ。

50代前半になると1割以上の増加は18.4%に下がり、減少が42.0%と増加29.4%を上回る。この年代の年収交渉は上げ幅の相場を語る前に、現年収をどこまで維持できるかの確認が先に来る。

相場の確かめ方:年齢階級別の所定内給与と現在の年収を比べる

「自分の年収は相場より高いのか低いのか」は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」(2025年、2026年3月24日公表)の年齢階級別の所定内給与額で確かめられる。所定内給与は残業代と賞与を含まない月額なので、比べるときは自分の年収から賞与を除き、12で割った値を使う。

年齢階級 男女計(千円/月) 男(千円/月) 女(千円/月)
20〜24歳 242.8 245.7 239.6
25〜29歳 279.4 288.0 268.8
30〜34歳 312.3 330.4 283.2
35〜39歳 340.6 366.2 292.4
40〜44歳 364.3 398.2 303.6
45〜49歳 377.9 420.7 305.7
50〜54歳 388.8 437.5 305.4
55〜59歳 396.2 445.6 305.7
年齢計 340.6 373.4 285.9

出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」一般労働者の年齢階級別賃金(所定内給与額、月額)。

たとえば35〜39歳の男女計340.6千円は、12倍すると所定内給与だけで年額約409万円になる。自分の所定内給与がこの水準を下回っていれば、年齢相場までの差額が交渉で示せる根拠になる。

企業規模による差も大きい。同調査の所定内給与は大企業385.1千円(前年比5.7%増)、中企業326.2千円(同1.0%増)、小企業305.6千円(同2.1%増)で、大企業と小企業の差は月79.5千円ある(厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」、2025年)。規模の大きい企業へ移る転職は、この差の分だけ上げ幅の根拠を示しやすい。

希望年収の伝え方:上げ幅を決める4つの手順

  1. 現年収の内訳を書き出す。基本給、賞与、残業代、手当を分け、総額と所定内給与だけの月額の両方を把握する。有価証券報告書の平均年間給与は賞与と基準外賃金を含む値なので、企業ページの数字と比べるときは総額で見る。
  2. 基準線を現年収の1割増に置く。転職で賃金が増えた人の約7割は1割以上の増加だった(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、2025年)。1割未満を狙う交渉は、職務が変わらない転職だと相手に示すのと同じになる。
  3. 根拠を2つ用意する。一つは上の表の年齢階級別の所定内給与、もう一つは志望企業が有価証券報告書で開示する平均年間給与である。企業別の値は企業情報の索引にあり、住友商事、丸紅、野村ホールディングスなどの各ページが従業員数と平均年齢を添えて載せている。職種ごとの水準は職種別年収の索引で確認できる。
  4. 金額は幅ではなく一点で伝える。「現年収は賞与込みで○○万円。今回は担当範囲が△△まで広がるため、□□万円を希望する。御社の規程の範囲で相談したい」の順で、現年収、役割の変化、希望額を一文ずつ分けて言う。

転職で年収が上がった人の割合そのものは、転職で年収が上がる割合の記事で年齢別に整理している。

この統計を使うときの注意

  • 雇用動向調査の賃金変動は、転職入職者本人が前職との比較で答えた区分(1割以上・1割未満)であり、金額の平均ではない。「平均で○万円上がる」という読み方はできない。
  • 計には賃金変動状況不詳が含まれるため、増加・変わらない・減少を足しても100%にならない(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」、2025年)。
  • 賃金構造基本統計調査の所定内給与は賞与を含まない。年収ベースで比べるときは、賞与の月数を企業ごとに確かめる。
  • 有価証券報告書の平均年間給与は提出会社の値で、出向者や嘱託を含むかが企業ごとに違う。各企業ページの注記を読んでから比べる。

出典・データの取り方

  1. 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」3 転職入職者の状況(PDF):転職入職者の賃金変動状況(2025年):増加40.8%(1割以上28.2%・1割未満12.6%)、変わらない25.5%、減少31.0%(1割未満9.2%・1割以上21.9%)。2024年:増加40.5%(1割以上29.4%・1割未満11.2%)、変わらない28.4%、減少29.4%(1割未満7.6%・1割以上21.7%)。年齢階級別(増加/1割以上の増加/変わらない/減少/1割以上の減少):20〜24歳55.2/44.2/19.9/17.5/10.2%、25〜29歳49.8/34.2/25.0/23.9/16.5%、30〜34歳48.6/32.8/20.8/29.0/19.0%、35〜39歳43.5/32.8/28.1/23.9/16.1%、40〜44歳44.9/29.9/24.6/27.4/17.6%、45〜49歳41.1/30.0/28.0/30.1/16.1%、50〜54歳29.4/18.4/26.7/42.0/28.3%、55〜59歳25.5/16.8/33.0/38.9/30.6%、60〜64歳21.1/11.0/24.2/54.3/47.6%
  2. 厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概況」(概況トップ):2025年(令和7年)調査。計には賃金変動状況不詳を含む
  3. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査の概況」(PDF):2026年3月24日公表。一般労働者の所定内給与額(月額):男女計340.6千円・男373.4千円・女285.9千円。年齢階級別(男女計/男/女、千円):20〜24歳242.8/245.7/239.6、25〜29歳279.4/288.0/268.8、30〜34歳312.3/330.4/283.2、35〜39歳340.6/366.2/292.4、40〜44歳364.3/398.2/303.6、45〜49歳377.9/420.7/305.7、50〜54歳388.8/437.5/305.4、55〜59歳396.2/445.6/305.7。企業規模別:大企業385.1千円(前年比5.7%増)・中企業326.2千円(1.0%増)・小企業305.6千円(2.1%増)
  4. 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」(トップ):2025年(令和7年)調査
更新履歴
2026年10月20日初出