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残業時間の平均は月9.8時間:業種別の最長は運輸業【2025年】
結論
残業時間(所定外労働時間)の平均は月9.8時間(2025年、厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和7年分結果確報、事業所規模5人以上)。一般労働者に限ると13.2時間で、業種別では運輸業,郵便業の20.6時間が最長、医療,福祉の4.9時間が最短。
想定読者25〜40歳・残業の多さを理由に転職を考えている人・業種を変えるかどうか迷っている人
残業時間(所定外労働時間)の平均は月9.8時間です(2025年、厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和7年分結果確報、事業所規模5人以上)。パートタイム労働者を除いた一般労働者に限ると月13.2時間で、業種別では運輸業,郵便業の20.6時間が最長、医療,福祉の4.9時間が最短です。全体では前年比2.5%減で、残業は減る方向にあります。
業種別の残業時間(2025年・月平均)
下の表は、厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和7年分結果確報の第2表(事業所規模5人以上)から、産業別の所定外労働時間を就業形態計と一般労働者の2通りで並べたものです。就業形態計はパートタイム労働者を含む平均、一般労働者はパートタイム労働者を除いた平均です。産業名は概況の表記のままです。
| 産業 | 所定外労働時間(就業形態計) | 前年比 | 所定外労働時間(一般労働者) | 総実労働時間(就業形態計) |
|---|---|---|---|---|
| 調査産業計 | 9.8時間 | -2.5% | 13.2時間 | 135.1時間 |
| 運輸業,郵便業 | 20.6時間 | -5.2% | 24.1時間 | 161.0時間 |
| 電気・ガス業 | 16.3時間 | +2.8% | 16.9時間 | 154.9時間 |
| 情報通信業 | 15.8時間 | 0.0% | 16.5時間 | 156.9時間 |
| 製造業 | 13.4時間 | +1.1% | 14.7時間 | 155.5時間 |
| 建設業 | 12.8時間 | +1.0% | 13.5時間 | 159.8時間 |
| 学術研究等 | 12.8時間 | -4.4% | 14.2時間 | 150.6時間 |
| 金融業,保険業 | 12.4時間 | -3.4% | 13.6時間 | 145.4時間 |
| 不動産・物品賃貸業 | 11.9時間 | -0.3% | 14.5時間 | 148.0時間 |
| 鉱業,採石業等 | 11.6時間 | -17.3% | 12.4時間 | 160.4時間 |
| 教育,学習支援業 | 10.2時間 | -11.0% | 14.8時間 | 122.3時間 |
| その他のサービス業 | 10.1時間 | -4.2% | 13.0時間 | 136.4時間 |
| 複合サービス事業 | 7.8時間 | -11.9% | 8.3時間 | 146.9時間 |
| 卸売業,小売業 | 7.0時間 | -1.0% | 11.3時間 | 126.8時間 |
| 生活関連サービス等 | 6.7時間 | +5.5% | 10.5時間 | 121.5時間 |
| 飲食サービス業等 | 5.2時間 | -0.8% | 15.6時間 | 88.0時間 |
| 医療,福祉 | 4.9時間 | -1.2% | 6.7時間 | 128.4時間 |
残業時間の平均は月9.8時間、一般労働者では13.2時間
毎月勤労統計調査の「所定外労働時間」は、早出・残業・臨時の呼び出し・休日出勤などの実労働時間を指し、いわゆる残業時間にあたります。2025年の月平均は調査産業計で9.8時間、前年比2.5%減でした(厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和7年分結果確報)。
この9.8時間はパートタイム労働者を含む平均です。一般労働者に限ると13.2時間(前年比2.0%減)、パートタイム労働者は2.3時間(同1.0%減)で、フルタイムで働く人の実感に近いのは13.2時間のほうです。
事業所の規模でも差があります。事業所規模30人以上に絞ると所定外労働時間は11.5時間(前年比1.8%減)で、5人以上の9.8時間より1.7時間長くなります。30人以上の事業所のほうが残業は長い、というのが2025年の統計です。
業種別:運輸業,郵便業が20.6時間で最長、医療,福祉が4.9時間で最短
業種別に見ると、2025年の所定外労働時間が最も長いのは運輸業,郵便業の20.6時間で、調査産業計の2倍を超えます。次いで電気・ガス業16.3時間、情報通信業15.8時間、製造業13.4時間、建設業と学術研究等の12.8時間の順です(同調査 第2表、事業所規模5人以上)。
短いのは医療,福祉の4.9時間、飲食サービス業等の5.2時間、生活関連サービス等の6.7時間、卸売業,小売業の7.0時間です。ただしこれらはパートタイム労働者の多い業種で、就業形態計の平均が下がりやすい点に注意が必要です。
前年比では教育,学習支援業が11.0%減、複合サービス事業が11.9%減、鉱業,採石業等が17.3%減と大きく減った一方、生活関連サービス等は5.5%増、電気・ガス業は2.8%増でした。業種によって残業の増減の向きが分かれています。
一般労働者で見直すと順位が変わる業種
転職先をフルタイムで考えるなら、表の一般労働者の列で見直すと見え方が変わります。飲食サービス業等は就業形態計で5.2時間と短い業種に見えますが、一般労働者に限ると15.6時間で、情報通信業の16.5時間や製造業の14.7時間と同じ水準です。
卸売業,小売業も就業形態計7.0時間に対して一般労働者は11.3時間、生活関連サービス等は6.7時間に対して10.5時間、教育,学習支援業は10.2時間に対して14.8時間です。パートタイム労働者の多い業種ほど、就業形態計と一般労働者の差が開きます。
一方で運輸業,郵便業は一般労働者でも24.1時間と最長で、医療,福祉は6.7時間と最短です。この2業種は、就業形態の切り分けで順位が入れ替わりません。
最新月(2026年8月)は9.2時間、前年同月比2.2%増
月次の最新値は2026年8月分で、所定外労働時間は調査産業計9.2時間、前年同月比2.2%増でした(厚生労働省「毎月勤労統計調査」令和8年8月分結果確報、2026年10月23日公表)。一般労働者は12.3時間(同1.6%増)です。
業種別では運輸業,郵便業20.3時間、電気・ガス業16.5時間、情報通信業14.5時間、製造業13.0時間の順で、年間平均と同じ顔ぶれが上位にあります。8月の総実労働時間は129.4時間と年間平均の135.1時間より短く、単月の値は月による変動を含む点を割り引いて読んでください。
法律の上限(月45時間・年360時間)と比べる
労働基準法の時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間です(厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」)。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年720時間以内、休日労働を含めて月100時間未満、2〜6か月平均で月80時間以内、月45時間を超えられるのは年6か月までと定められています。
統計上の平均9.8時間、一般労働者13.2時間は、上限の月45時間を大きく下回ります。ただし平均は残業の少ない人も含めた値で、特定の部署や繁忙期の残業が上限に近い職場があっても平均には表れません。業種の平均は目安にとどめ、応募先の実態は個別に確かめる必要があります。
転職で残業時間を確かめる方法
統計の平均を手がかりに、応募先の残業時間は3つの方法で確かめられます。
- 募集要項の「固定残業代(みなし残業代)」の記載を見る。何時間分が含まれ、超えた分が別に支払われるかが書かれているかを確認します。
- 面接で、配属予定の部署の直近1年の月平均残業時間を聞く。会社全体の平均より配属先の実態に近い数字になります。逆質問の組み立て方は転職面接の逆質問例にまとめています。
- 業種の平均と比べる。応募先の数字がこの記事の表にある業種平均(一般労働者の列)より大きければ、その理由を面接で聞く材料になります。
残業の多さを理由に業種を変える場合は、求人の多さも合わせて見てください。最新の有効求人倍率の推移は毎月更新しています。企業ごとの年収は企業ページ一覧から有価証券報告書の値で確認できます。
出典・データの取り方
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」概況(2026年2月25日公表):第2表 月間実労働時間及び出勤日数(事業所規模5人以上)。所定外労働時間:調査産業計9.8時間(前年比2.5%減)・一般労働者13.2時間(2.0%減)・パートタイム労働者2.3時間(1.0%減)、事業所規模30人以上11.5時間(1.8%減)。産業別(就業形態計/一般労働者):運輸業,郵便業20.6(-5.2%)/24.1、電気・ガス業16.3(+2.8%)/16.9、情報通信業15.8(0.0%)/16.5、製造業13.4(+1.1%)/14.7、建設業12.8(+1.0%)/13.5、学術研究等12.8(-4.4%)/14.2、金融業,保険業12.4(-3.4%)/13.6、不動産・物品賃貸業11.9(-0.3%)/14.5、鉱業,採石業等11.6(-17.3%)/12.4、教育,学習支援業10.2(-11.0%)/14.8、その他のサービス業10.1(-4.2%)/13.0、複合サービス事業7.8(-11.9%)/8.3、卸売業,小売業7.0(-1.0%)/11.3、生活関連サービス等6.7(+5.5%)/10.5、飲食サービス業等5.2(-0.8%)/15.6、医療,福祉4.9(-1.2%)/6.7。総実労働時間(就業形態計):調査産業計135.1、運輸業,郵便業161.0、電気・ガス業154.9、情報通信業156.9、製造業155.5、建設業159.8、学術研究等150.6、金融業,保険業145.4、不動産・物品賃貸業148.0、鉱業,採石業等160.4、教育,学習支援業122.3、その他のサービス業136.4、複合サービス事業146.9、卸売業,小売業126.8、生活関連サービス等121.5、飲食サービス業等88.0、医療,福祉128.4
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和7年分結果確報」(結果ページ):公表日2026年2月25日。統計表・概況PDFの掲載ページ
- 厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和8年8月分結果確報」概況(2026年10月23日公表):所定外労働時間(事業所規模5人以上):調査産業計9.2時間(前年同月比2.2%増)・一般労働者12.3時間(1.6%増)。産業別:運輸業,郵便業20.3時間・電気・ガス業16.5時間・情報通信業14.5時間・製造業13.0時間。総実労働時間 調査産業計129.4時間
- 厚生労働省「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」:時間外労働の上限は原則 月45時間・年360時間。臨時的な特別の事情がある場合も年720時間以内、休日労働を含め月100時間未満、2〜6か月平均80時間以内、月45時間超は年6か月まで
| 2026年11月1日 | 初出 |